【失敗する前に】糸リフトで頬骨が目立つ原因は骨格?医師選び5つのポイント

「糸リフトでたるみを解消したいけど、SNSで『頬骨が目立つようになった』という噂を見て不安…」 「せっかく綺麗になるための施術で、逆に顔が大きく見えたり、ゴツゴツした印象になったりしない?」
そんなお悩みや疑問をお持ちではありませんか?
糸リフトは、メスを使わずにたるみを引き上げられる人気の施術ですが、一方で「頬骨が目立つ」という声が聞かれるのも事実です。しかし、その多くは原因と正しい知識を知ることで避けられたり、一時的な症状であったりします。
この記事では、美容医療のプロの視点から、糸リフトで頬骨が目立ってしまう理由を徹底的に解説。ダウンタイム中の正常な経過から、避けるべき医師やクリニック選びのポイント、万が一そうなってしまった場合の対処法まで、あなたが後悔しないために必要な知識を網羅しました。
第1章 糸リフトで頬骨が際立つは本当?多くの人が抱える不安とその真実

まずは、多くの方が抱える「糸リフトで頬骨が目立つ」という不安の核心に迫ります。噂の真相と、リフトアップの基本的な仕組みを理解することから始めましょう。
1-1. 「糸リフトをしたら頬骨が目立った」という噂の真相
結論から言うと、「糸リフトの施術後に頬骨が目立つように感じること」は、実際に起こり得ます。
しかし、ここで最も重要なのは、その原因が何かを見極めることです。その原因は大きく二つのパターンに分類できます。一つは、ほとんどのケースにあてはまる一時的な症状です。これは、施術後の腫れやむくみといったダウンタイムによって、頬骨周りが一時的に膨らんで見える状態を指します。身体の正常な反応であり、時間の経過とともに必ず落ち着くものです。
もう一つは、まれなケースではありますが、デザインや技術的な問題がある場合です。ダウンタイムが終わっても頬骨の突出感が続くのであれば、医師の技術やカウンセリング不足によるデザインのミスマッチが原因である可能性が考えられます。
つまり、「頬骨が目立つ=失敗」と結論づける必要はありません。ほとんどの場合、ダウンタイム中の正常な経過の一部なのです。この後の章で、それぞれの原因について詳しく解説していきますが、まずは過度に心配せず、なぜそう見えるのかを正しく理解することが大切です。
1-2. そもそも糸リフトとは?たるみを引き上げる基本的な仕組み
頬骨が目立つ理由を理解するために、まずは糸リフトがどのようにしてたるみを引き上げるのか、その基本的な仕組みをおさらいしましょう。
糸リフトとは、「コグ」と呼ばれるトゲのようなものが付いた特殊な医療用の糸を皮下の脂肪層に挿入する施術です。その仕組みは、まず、こめかみや頭皮など目立たない部分からカニューレ(先端の丸い針)を使って皮下に糸を挿入します。次に、皮下組織、主にSMAS筋膜や皮下脂肪に糸のコグをしっかりと引っ掛け、固定します。そして、その糸を引き上げることで、コグに引っかかった組織が一緒に持ち上がり、たるみが改善されるというわけです。
この物理的に組織を引っ張り上げて移動させるという点が、頬骨の見え方に影響を与える最大のポイントです。たるんでいた脂肪が引き上げられ、頬骨の高い位置に集まることで、一時的にボリュームが増えたように感じることがあるのです。
また、糸リフトにはもう一つ重要な効果があります。それは、挿入された糸が周辺の組織を刺激し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進するというものです。これにより、肌内部からのハリや弾力がアップし、長期的な引き締め効果も期待できます。この基本的な仕組みを理解しておくと、次の章で解説する「なぜ頬骨が目立ってしまうのか」という原因が、より深く理解できるようになります。
第2章 なぜ?糸リフトで頬骨が目立つようになってしまう原因の全パターン

ダウンタイムが過ぎても頬骨の目立ちが気になる場合、そこにはいくつかの原因が考えられます。ここでは、考えられる全ての原因をパターン別に徹底的に解説します。
2-1. 【一時的な原因】施術直後のダウンタイムによる腫れ・むくみ
糸リフトで頬骨が目立つと感じる最も一般的で、かつ最も多い理由が、施術後のダウンタイム中に生じる「腫れ」と「むくみ」です。これは施術が失敗したわけではなく、身体の正常な治癒反応の一部なので安心してください。
まず「腫れ」ですが、これは糸を挿入する際にカニューレが皮下組織を通過することで微細な血管や細胞が傷つき、その傷を治そうとする身体の反応、すなわち炎症反応が原因で生じます。この反応によって患部に血液や体液が集まり、腫れとなるのです。
一方で「むくみ」は、施術による炎症や麻酔液の水分が体内に残ることなどが原因で、リンパの流れが一時的に滞ることで現れます。特に顔はむくみが出やすい部位として知られています。
頬骨は顔の中でも骨格的に高く、皮膚が薄い部分です。そのため、周囲の組織が腫れやむくみによって少しでも膨らむと、その高さがより強調されて見えやすくなります。さらに、糸で組織を上方向に引き上げているため、水分や体液が頬骨周辺に溜まりやすいという側面も持ち合わせています。
この症状のピークは施術後2〜3日で見られ、その後1〜2週間かけて徐々に引いていきます。この期間は「顔がパンパンになった」「アバターのようになった」と感じる方もいますが、時間の経過とともに必ず解消される一時的な症状です。
2-2. 【技術的な原因】医師の経験不足による糸の挿入位置・引き上げの強さ

ダウンタイムが落ち着いた後も頬骨の突出が改善されない場合、施術を担当した医師の技術的な問題が原因である可能性が考えられます。
主な技術的な問題として、糸を挿入する層の不適切さと、引き上げる力が強すぎることが挙げられます。
まず、糸を挿入する層、つまり深さが不適切であったケースです。糸リフトは、皮下の「SMAS筋膜」や「皮下脂肪層」といった適切な層に挿入してこそ、自然で高い効果を発揮します。しかし、経験の浅い医師が施術を行うと、糸が皮膚に近い浅すぎる層に入ってしまうことがあります。その結果、皮膚表面が不自然に引きつれたり、糸のラインが浮き出たり、組織が変な位置で塊となり、頬骨の上で不自然な盛り上がりを作ってしまうリスクがあるのです。
次に、引き上げる力が強すぎるという問題です。「とにかく強く引き上げれば効果が高いだろう」というのは誤解です。一人ひとりの骨格や脂肪のつき方を無視して過度に強く引き上げると、脂肪や皮膚が頬骨の一番高い部分に不自然に集まってしまいます。それはまるで布の一部を強く引き寄せた状態に近く、その部分だけが不自然に盛り上がったシルエットになってしまうのです。経験豊富な医師は、たるみを改善しつつも、顔全体のバランスが最も美しく見える絶妙な力加減を熟知しています。これらの技術的な問題は、医師の解剖学的な知識と経験に大きく左右されるため、症例数が豊富で信頼できる医師を選ぶことが何よりも重要です。
2-3. 【デザイン的な原因】カウンセリング不足と骨格のミスマッチ
技術的には問題がなくても、施術前のデザイン、つまりリフトアップの計画があなたの骨格に合っていなければ、仕上がりに満足できない可能性があります。その根本的な原因は、カウンセリング不足にあると言えるでしょう。
優れた医師は、カウンセリングの際に、あなたの骨格の形状はもちろん、脂肪のつき方、たるみの根本原因、さらには皮膚の厚さや質に至るまでを丁寧に見極め、あなたに最適なデザインを提案します。
例えば、もともと頬骨が高い方が、頬骨の一番高い点をさらに持ち上げるようなデザインでリフトアップしてしまうと、頬骨が不自然に強調されてしまいます。このようなケースでは、頬骨の横や下から斜め上方向に引き上げるなど、骨格を強調しないデザインの工夫が求められます。
カウンセリングであなたの希望をしっかりと伝え、医師があなたの顔を丁寧に診察し、骨格や脂肪のつき方を正確に診断してくれるかどうかが、後悔しないための最初の重要なステップとなります。十分な時間をかけてカウンセリングを行ってくれるクリニックを選びましょう。
2-4. 【その他の原因】糸の種類や顔の脂肪移動による影響
上記以外にも、頬骨の見え方に影響を与える要因がいくつか存在します。使用する糸の種類や、リフトアップに伴う顔の脂肪移動がそれに当たります。
糸リフトには様々な種類があり、それぞれ太さやコグ(トゲ)の形状、持続性、引き上げ力が異なります。例えば、太く強力なコグを持つ糸は、引き上げる力も強い分、組織をしっかりキャッチします。そのため、施術直後に組織の集まりが強く出て、頬骨周りが一時的に盛り上がって見えることがあるのです。これは時間とともに馴染んでいきますが、皮膚が薄い方などの場合、糸の種類の選択が仕上がりに影響を与える可能性があります。
また、リフトアップによる顔の脂肪移動も一因となり得ます。これは失敗ではなく、リフトアップ効果の裏返しとも言える現象です。口元やフェイスラインに下がっていた脂肪が、糸によって頬の高い位置へと引き上げられます。これにより、たるみが解消され若々しい印象になる一方で、もともと頬にボリュームがある方の場合、移動してきた脂肪によって頬骨周りがふっくらとし、顔が大きく見えてしまうことがあるのです。この現象は、脂肪溶解注射などを併用することでコントロールが可能です。経験豊富な医師は、こうした脂肪移動を予測した上で、最適な施術プランを提案してくれます。
第3章 糸リフトで頬骨が目立つのはいつまで?症状が落ち着くまでの期間と経過

「頬骨が目立っているけど、これっていつ治るの?」施術後の不安な期間、症状がどのように変化していくのか、具体的な時系列で解説します。一般的な経過を知ることで、安心してダウンタイムを過ごせるようになります。
3-1. 施術直後~1週間:腫れとむくみがピークに達する期間
施術直後から約1週間は、腫れやむくみ、引きつれ感といった症状が最も出やすい時期です。
施術当日から3日目にかけては、腫れとむくみがピークに達します。特に施術翌日から3日目までが最も強く感じられるでしょう。この時期は頬骨周りがパンパンに膨らんだように見え、顔全体が大きく見えたり、一時的に左右差が生じたりすることもあります。また、麻酔の影響や糸による引き上げで、口が開きにくい、笑いにくいといった違和感や、引きつれるような感覚も最も強くなります。通常は処方される痛み止めでコントロールできる程度の鈍痛です。
4日目を過ぎて1週間が経つ頃には、ピークを越えて大きな腫れやむくみが徐々に引き始めます。内出血が出ている場合は、黄色っぽく変化しながら吸収されていくでしょう。まだ顔に触れると軽い痛みがあったり、引きつれ感が残っていたりしますが、日常生活にはほとんど支障がないレベルに落ち着いてきます。この段階でも頬骨の突出感はまだ残っていることが多いものの、ピーク時に比べると少しずつ快方に向かっていると感じられるはずです。この期間は施術によるダメージからの回復期ですので、安静に過ごすことが回復を早める鍵となります。
3-2. 施術後1ヶ月:徐々に馴染み、本来の効果が見え始める期間
施術から1ヶ月が経過する頃には、美容施術に詳しい人でなければ気づかないレベルまで症状が落ち着きます。
2週目から1ヶ月後にかけての期間では、大きな腫れやむくみはほとんど引いています。細かいむくみが完全に取れるまでにはもう少し時間がかかりますが、見た目の違和感はかなり解消されるでしょう。糸が皮下組織に馴染み始めることで、施術直後の過度な引きつれ感や突っ張り感が緩和され、表情がより自然になってきます。
この時期になると、頬骨の目立ちもかなり落ち着いてきます。「施術直後はどうなることかと思ったけど、綺麗になってきた」と、リフトアップの本来の効果を実感し始める方が多いタイミングです。ただし、まだ糸が完全に定着したわけではないので、顔を強くマッサージするなどの刺激は避ける必要があります。施術後1ヶ月の時点での仕上がりが、完成形の約80〜90%と言われています。この時点で頬骨の目立ちが気にならなくなっていれば、まず問題ないと考えて良いでしょう。
3-3. 3ヶ月以上経っても改善しない場合に考えるべきこと
通常、施術後3ヶ月もすれば、ダウンタイムの症状は完全に落ち着き、糸も組織にしっかりと馴染んで完成形となります。
もし、3ヶ月以上経過しても、頬骨の上の不自然な盛り上がりがなくならなかったり、皮膚の表面のデコボコやひきつれが取れなかったり、あるいは左右差が明らかに改善されなかったり、糸のラインが浮き出て見えたりする状態が続くようであれば、それはダウンタイムによる一時的なものではなく、別の原因を考える必要があります。
これらの症状が残っている場合、第2章で解説したような医師の技術的な問題やデザインのミスマッチといった可能性が濃厚になります。
このような状況に陥ってしまったら、一人で悩まず、適切な行動をとることが重要です。まずは、施術を受けたクリニックに速やかに連絡し、担当医師の診察を予約しましょう。現状を見てもらい、見解を聞き、今後の対応について正直に相談することが第一歩です。信頼できるクリニックであれば、誠実なアフターフォローが受けられるはずです。その上で、もし施術を受けたクリニックの対応に納得がいかない場合や、不信感がある場合は、他のクリニックでセカンドオピニオンを求めるのも一つの有効な方法です。別の医師の客観的な意見を聞くことで、現状をより正確に把握できるでしょう。
3ヶ月という期間は一つの大きな目安です。それ以上経っても改善が見られない場合は、放置せず、専門家である医師に必ず相談してください。
第4章 【最重要】後悔しない!頬骨を目立たせないためのクリニック・医師選び5つのポイント

ここまで糸リフトで頬骨が目立つ原因や経過を解説してきましたが、これらのリスクを根本から回避するために最も重要なのが「施術を受ける前のクリニック・医師選び」です。ここでは、後悔しないために絶対に押さえておくべき5つの重要ポイントを詳しくご紹介します。
4-1. ポイント①:カウンセリングで骨格診断を丁寧に行ってくれるか
成功する糸リフトの鍵は、カウンセリングにあると言っても過言ではありません。特に、あなたの骨格、脂肪のつき方、たるみの原因を的確に診断する「骨格診断」を丁寧に行ってくれるかどうかが、最初の見極めポイントです。
優れた医師は、ただ話を聞くだけでなく、実際にあなたの顔に触れ、頬骨の高さや張り出し方、こめかみの凹み、皮下脂肪の厚みと位置、皮膚の弾力などを多角的に確認します。その上で、「あなたの骨格の場合、この方向から引き上げると頬骨が目立ってしまう可能性があるので、こちらの方向からアプローチしてフェイスラインを整えましょう」といった、解剖学に基づいた具体的な提案をしてくれます。
もしカウンセリングが短時間で終わってしまったり、あなたの顔をしっかり診察せずに「何本入れますか?」といった話に終始したりするようであれば、注意が必要です。あなたの顔という唯一無二のキャンバスに、最適なデザインを描いてくれる医師かどうかを、このカウンセリングの質で判断してください。
4-2. ポイント②:医師の経歴と糸リフトの症例実績は十分か
次に、施術を担当する医師の客観的な技量を確認することが重要です。クリニックの公式サイトなどで、医師の経歴や所属学会、そして何よりも糸リフトに関する症例実績が豊富にあるかを確認しましょう。
特に注目すべきは「症例数」です。糸リフトは、ミリ単位の挿入位置や引き上げる力加減が仕上がりを大きく左右する、非常に繊細な技術が求められる施術です。多くの症例を経験している医師ほど、様々な骨格や肌質の方に対応してきた経験値が高く、予期せぬ事態にも冷静に対処できる能力が備わっています。
また、症例写真を見る際は、そのデザインの傾向を読み解くことも有効です。その医師が手掛ける仕上がりは、自然な変化を重視するのか、それともはっきりとした変化を出すのが得意なのか。写真から感じ取れるデザインの方向性が、ご自身の理想と合致しているかどうかも、大切な判断基準となります。クリニックの院長だからという理由だけで安心せず、必ず施術を担当する医師個人の実績を確認することが後悔を避ける道です。
4-3. ポイント③:自分と似た骨格の症例写真や口コミが豊富か
症例写真を確認する際には、もう一歩踏み込んで、あなた自身と骨格や悩みが似ているケースを探すことが非常に有効です。例えば、あなたが「頬骨が横に張っていること」を気にしているなら、同じような輪郭の方の施術前後の写真を見比べることで、施術後のイメージをより具体的に掴むことができます。
そのクリニックが、様々な骨格の症例を偏りなく掲載しているかも、技術力の幅広さを示す一つの指標となります。もし理想とする症例写真が見つかれば、カウンセリングの際にそれを見せながら「このような雰囲気にしたい」と伝えることで、医師とのイメージ共有がスムーズに進みます。
また、クリニックが発信する情報だけでなく、SNSや口コミサイトで実際に施術を受けた方のリアルな声を探すことも重要です。特に、ダウンタイム中の経過やクリニックの対応など、公式サイトだけでは分からない情報を得ることで、より安心して施術を任せられるかを判断できるでしょう。
4-4. ポイント④:扱う糸の種類が豊富で、最適な提案をしてくれるか
糸リフトと一言で言っても、使用される糸には実に多くの種類があります。素材(PDO, PLLA, PCLなど)や形状(コグの向きや密度)によって、引き上げる力、持続期間、馴染みやすさ、施術後の腫れの出やすさなどが異なります。
信頼できるクリニックは、これらの特徴を熟知した上で複数の種類の糸を取り揃えており、一人の患者様に対しても、部位や目的に応じて糸を使い分けるといったオーダーメイドの提案をしてくれます。複数の糸を使い分けることは、状況に応じた最適な治療選択につながります。
もしクリニックが1〜2種類の糸しか扱っておらず、「誰にでもこの糸がベストです」といった説明をする場合は、少し立ち止まって考えるべきかもしれません。選択肢の多さは、あなたの肌質やたるみの状態に合わせた、より安全で効果的な施術に繋がるのです。
4-5. ポイント⑤:リスクやデメリット、費用について明確な説明があるか
最後に、信頼できるクリニックかどうかを見極める上で欠かせないのが、情報の透明性です。施術のメリットや素晴らしい効果だけを強調するのではなく、考えられるリスクやダウンタイムの具体的な症状、そして費用の内訳について、事前に詳しく明確な説明があるかは必ず確認してください。
例えば、腫れや内出血、引きつれ感といったダウンタイムの症状がどの程度の期間、どのように続く可能性があるのか。また、稀ではあるものの感染やアレルギーといったリスクは存在するのか。費用に関しては、提示された金額に麻酔代や薬代、アフターケアの診察料がすべて含まれているのか。こうしたネガティブな情報や金銭的な側面まできちんと説明してくれる姿勢は、クリニックの誠実さそのものです。安心して施術を任せるためにも、カウンセリングの段階で少しでも疑問に思ったことは遠慮なく質問し、納得のいく回答が得られるクリニックを選びましょう。
第5章 もし頬骨が目立ってしまったら?すぐにできる3つの対処法

最善の準備をしても、ダウンタイム中の予期せぬ症状や、万が一の事態に不安を感じることはあるかもしれません。もし施術後に頬骨が目立ってしまったと感じた時、冷静に対処するための3つのステップを解説します。
5-1. ステップ①:まずは施術を受けたクリニックに速やかに相談する
不安を感じたら、インターネットで検索して一人で悩み続けるのではなく、何よりもまず施術を担当した医師に相談することが最も重要です。施術を行った医師は、あなたの骨格や使用した糸の種類、挿入した位置や本数を最も正確に把握しています。
連絡をする際は、感情的にならず、「施術後○日が経過し、頬骨のこの部分がこのように腫れている感じがする」「笑った時に不自然な引きつれを感じる」など、現状をできるだけ具体的に伝えましょう。信頼できるクリニックであれば、あなたの不安に対して適切に対処してくれるでしょう。多くの場合、それはダウンタイム中の正常な経過であり、医師から専門的な見解を聞くことで安心できるケースがほとんどです。アフターフォロー体制が整っているかどうかも、クリニック選びの重要な要素と言えます。
5-2. ステップ②:ダウンタイム中の症状を緩和するセルフケア
医師に相談し、それが病的な問題ではなくダウンタイムの一環であることが確認できた場合、腫れやむくみを少しでも早く引かせるために自宅でできるセルフケアがあります。ただし、必ず医師の指示のもとで行うようにしてください。
一般的に推奨されるのは、施術後2〜3日の急性期に、清潔なタオルなどで包んだ保冷剤を患部に優しく当てることです。これにより、炎症を抑え、腫れを軽減する効果が期待できます。また、血行が良くなりすぎると腫れや内出血を助長する可能性があるため、施術後1週間程度は、長時間の入浴やサウナ、激しい運動、過度な飲酒は控えるべきです。就寝時に枕を少し高くして頭を心臓より高い位置に保つことも、顔のむくみの軽減に繋がります。これらのケアは、あくまで治癒をサポートするものであり、無理のない範囲で行うことが大切です。
5-3. ステップ③:修正施術や糸の再調整・除去という選択肢
明らかにデザインに問題がある場合や、3ヶ月以上経過しても症状が全く改善しない場合には、修正施術も選択肢となります。
医師との相談の上で検討される修正方法には、いくつかのパターンがあります。例えば、引き上げすぎによる不自然な盛り上がりや引きつれに対しては、局所的にマッサージを行って糸の食い込みを緩めたり、馴染ませたりすることで改善する場合があります。また、顔全体のバランスを整えるために、別の位置に追加で糸を挿入し、リフトのベクトルを調整することもあります。
最終的な手段としては、挿入した糸を物理的に取り出す「除去」という方法も存在しますが、組織と癒着した糸を取り出すのは容易ではなく、高度な技術と十分な経験が必要です。修正施術を検討する際は、その方法、リスク、費用、そして追加で必要となるダウンタイムについて、担当医師から十分な説明を受け、納得した上で判断することが不可欠です。
第6章 【応用編】頬骨の悩みに合わせた最適なリフトアップ術
ここからは応用編として、頬骨に関するお悩みを抱える方が、より満足度の高い結果を得るための具体的な施術計画について解説します。ご自身の特徴に合わせた最適な方法を知ることで、理想のフェイスラインにぐっと近づけるはずです。
6-1. もともと頬骨が出ている人が糸リフトを受ける際の注意点
もともと頬骨の骨格がしっかりしている、いわゆる「頬骨が高い・張っている」タイプの方が糸リフトを受ける場合、特に施術デザインが重要になります。目的は、たるみを改善しつつも、頬骨をそれ以上強調させないことです。
この場合、経験豊富な医師は、頬骨の一番高い部分を通過するような縦方向へのリフティングを避ける傾向にあります。代わりに、こめかみや耳の前あたりを基点として、フェイスラインや口元のたるみを斜め上、つまり後方に向かって引き上げるデザインを選択します。これにより、頬骨の高さに影響を与えずに、下顔面のたるみやマリオネットラインを効果的に改善し、顔全体をすっきりと見せることが可能になります。カウンセリングの際に、ご自身の骨格の特徴を伝え、頬骨を強調しない引き上げ方を希望していることを明確に共有することが成功の鍵です。
6-2. おすすめの併用施術①:脂肪溶解注射で頬骨周りをスッキリさせる
頬骨が目立つ原因が骨格だけでなく、その上の脂肪の厚みにもある場合、糸リフトと脂肪溶解注射の組み合わせが非常に有効です。頬骨の上に位置する脂肪(メーラーファット)が多いと、糸で引き上げた際にそのボリュームがさらに強調されてしまう可能性があります。
そこで、糸リフトの施術前、あるいは同時に脂肪溶解注射を行うことで、余分な脂肪を減らし、頬骨周りをスッキリさせることができます。土台となる脂肪のボリュームを先に減らしておくことで、糸リフトによる引き上げ効果がよりシャープに現れ、洗練された輪郭を目指せます。これは、たるみと脂肪の両方にアプローチすることで、理想のフェイスラインをより効率的に形成するための戦略的なコンビネーション治療と言えるでしょう。
6-3. おすすめの併用施術②:ヒアルロン酸注入で理想の輪郭を形成する
意外に思われるかもしれませんが、頬骨が目立つ原因が、実は他の部分のボリューム不足にあるケースも少なくありません。特に、こめかみや頬(頬骨の下)が痩せていたり、くぼんでいたりすると、相対的に頬骨の突出感が際立って見えてしまいます。
このような場合には、ヒアルロン酸注入を併用し、ボリュームが足りない部分を補うことで、輪郭全体のバランスを整えるアプローチが効果的です。例えば、凹んだこめかみにヒアルロン酸を注入すると、顔の上半分のフレームが整い、頬骨の張り出しが滑らかに見えるようになります。また、コケて見える頬に注入すれば、顔のラインが卵型に近づき、より若々しく優しい印象を与えることができます。これは、頬骨を低くするのではなく、全体の凹凸を整えることで、より美しい卵型の輪郭へと近づける、高度なデザイン技術です。
第7章 糸リフトと頬骨に関するよくある質問(Q&A)
ここでは、糸リフトと頬骨に関して、多くの方が抱えるその他の疑問についてQ&A形式でお答えします。さらなる不安や疑問を解消していきましょう。
7-1. Q. 糸リフトをすると顔が大きく見えたり、太ったりしますか?
A. 施術直後のダウンタイム期間中に、腫れやむくみが原因で一時的に顔が大きく見えたり、太ったように感じたりすることはあります。これは、前述の通り身体の正常な反応であり、時間が経てば必ず解消されますのでご安心ください。
しかし、ダウンタイムが過ぎても顔の大きさが気になる場合、それはリフトアップによる脂肪の移動が関係している可能性が考えられます。特に、口元やフェイスラインにあった脂肪が頬の高い位置に集まることで、中顔面にボリュームが出て、ふっくらとした印象になることがあります。
ただし、経験豊富な医師が行う適切なデザインの施術であれば、この脂肪の移動は若々しい立体感を形成するために利用されます。最終的には皮膚全体が引き締まり、フェイスラインがシャープになることで、施術前よりもむしろ「顔が小さくなった」「引き締まった」と感じられることがほとんどです。万が一、明らかに不自然なボリュームが出てしまった場合は、脂肪の配置を考慮したデザインに問題があった可能性があるため、施術を受けたクリニックに相談することをお勧めします。
7-2. Q. 糸リフトで頬がこけてしまう失敗はなぜ起こるのですか?
A. 頬骨が目立つという悩みとは逆に、糸リフトで頬がこけてしまい、やつれた印象を与えるこことも稀に起こり得ます。この主な原因は、施術デザインと医師の技術力にあります。
一つ目の原因は、引き上げる力が強すぎることです。特に頬の脂肪が少ない方に対して、過度な力で皮膚や皮下組織を引き上げてしまうと、脂肪が本来あるべき位置からずれてしまい、頬がくぼんだように見えてしまいます。
二つ目の原因は、もともとの顔のボリュームに対する診断ミスです。元々顔の脂肪が少なく、頬がこけやすい骨格の方の場合、強い引き上げ効果を持つ糸リフトは慎重に行う必要があります。この点をカウンセリングで見極められずに画一的な施術を行ってしまうと、頬のこけを助長する結果になりかねません。
これを避けるためには、医師がカウンセリングの段階で一人ひとりの脂肪のつき方や骨格を正確に把握し、その方に合った引き上げの強さや糸の種類、デザインを提案してくれることが不可欠です。場合によっては、第6章で解説したようにヒアルロン酸注入などを併用し、ボリュームを補いながらリフトアップを行うといった複合的なアプローチが望ましいこともあります。
第8章 まとめ:頬骨のリスクを理解し、信頼できる医師と理想のフェイスラインへ
ここまで、糸リフトで頬骨が目立つ原因から、後悔しないための具体的な対策までを詳しく解説してきました。最後に、あなたが理想のフェイスラインを手に入れるために、この記事の要点を振り返ります。
8-1. 糸リフトで後悔しないための最終チェックリスト
あなたがこれからクリニックのカウンセリングに臨む前に、心の中で最終チェックをしてみましょう。まず、糸リフトで頬骨が目立つと感じるのには、ダウンタイムによる一時的な原因と、技術やデザインに起因する本質的な原因の2つがあることを理解できましたでしょうか。そして、その上で最も重要なのは、あなたの骨格や脂肪のつき方を正確に診断し、最適な施術を提案してくれる、経験豊富で信頼できる医師を見つけることだと認識できたでしょうか。
その医師を見極めるためには、カウンセリングの丁寧さ、症例実績の豊富さ、あなたに似た症例の有無、扱う糸の種類の多さ、そしてリスク説明の透明性という5つのポイントを確認することが不可欠です。これらの準備ができていれば、あなたはもう施術への漠然とした不安から解放され、自信を持って次の一歩へ進めるはずです。
8-2. まずは無料カウンセリングで専門医に相談するから始めよう
この記事を通して、糸リフトと頬骨に関する知識は深まったことと思います。しかし、最終的にあなたの顔に最適な施術が何かを知るためには、専門家である医師に直接診てもらうことが不可欠です。
多くのクリニックでは、無料でカウンセリングを受けることができます。これは、あなたの長年の悩みを専門家に相談し、プロの視点から具体的な解決策の提案を受けられる絶好の機会です。いくつかのクリニックで話を聞いてみることで、あなたにとって最も信頼できる医師との出会いもきっとあるでしょう。
監修
クリニック院長
清水 優人

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