糸リフトは何本が最適?悩みや年代別に効果的な本数の目安と料金、後悔しない選び方を医師が解説

この記事で記載している糸の本数は一例です。必要となる本数には個人差が大きいため、必ずクリニックで医師の診察を受け、専門家の診断と提案に従ってください。自己判断で本数を決められませんよう、お願いいたします。
第1章 糸リフト、結局何本入れればいいの?平均本数と効果の関係を徹底解説

1-1. 「平均◯本」は当てにならない?本数が人によって全く違う理由
糸リフトの施術において「平均◯本」という表現はよく見かけますが、実際にはその数字がすべての人に当てはまるわけではありません。本数の最適解は、患者一人ひとりの顔立ちや年齢、たるみの程度、脂肪の分布、そして希望する仕上がりによって大きく異なります。
たとえば、30代で軽度なたるみに悩んでいる方と、40代後半でフェイスライン全体の引き上げを望む方とでは、必要な糸の本数は当然違ってきます。また、骨格や皮膚の厚みによっても引き上がりやすさに違いがあるため、同じ本数でも得られる効果は均一ではありません。
このような個人差を無視して「平均6本」や「最低8本必要」などと一律に判断してしまうと、本来得られるはずだった効果を逃したり、逆に過剰となるおそれがあります。大切なのは「平均」に惑わされることなく、自分自身の顔に合った本数を医師と相談のうえで決めることです。
1-2. 少ない本数(2〜4本)では効果がないって本当?
「糸リフトは6本以上入れないと意味がない」といった情報を目にすることもありますが、これは必ずしも正しくありません。たしかに強いたるみをしっかり引き上げたい場合はある程度の本数が必要になりますが、目的が明確であれば、少ない本数でも十分に効果が期待できるケースがあります。
たとえば、こめかみや頬の高い位置を少しだけ引き上げたい方や、輪郭のもたつきを軽く改善したい方にとっては、片側1〜2本の挿入でも見た目の変化を感じられることがあります。また、リフトアップそのものよりも肌質改善やコラーゲン生成を目的とした施術であれば、少ない本数であっても意味のあるアプローチとなります。
大切なのは、自分の希望する効果に対して、必要十分な本数を選ぶことです。漫然と「とにかく本数が多ければいい」と考えるのではなく、自分にとって本当に必要な施術を医師と一緒に見極める姿勢が求められます。
1-3. 糸の本数が多いほど効果は高まる?メリットと知っておくべきデメリット
糸の本数を増やすことで、リフトアップ効果がより強く、より長持ちしやすくなるのは事実です。特に顔全体のリフトアップを狙う場合や、年齢的にたるみが進行している方にとっては、複数箇所に糸を入れることで、より自然でバランスの取れた仕上がりが実現しやすくなります。
しかし、本数が多ければ多いほどよいとは限りません。まず、当然ながら費用が高くなりますし、糸が増えるほど内出血や腫れといったダウンタイムも長引く傾向にあります。また、皮膚が薄い方の場合、本数が過剰になると表面に凹凸が出てしまったり、不自然な引きつれが生じたりするリスクもあります。
さらに、糸を入れる位置が不適切だったり、左右のバランスが崩れていたりすると、本数が多くても満足のいく仕上がりにはなりません。単純な本数ではなく、医師のデザイン力と技術力こそが最終的な満足度を左右する決定的な要素なのです。
そのため、糸の本数だけにこだわるのではなく、「どの部位に」「どの方向で」「どのような効果を狙って」入れるのかという点まで、カウンセリングでしっかり話し合うことが成功のカギとなります。
第2章 まずは基本から!糸リフトの種類と効果を理解しよう

2-1. そもそも糸リフトとは?リフトアップと美肌が叶う仕組み
糸リフトとは、医療用の特殊な糸を皮膚の下に挿入し、たるんだフェイスラインや頬などを物理的に引き上げることで、若々しい印象を取り戻す美容医療のひとつです。使用される糸には「コグ」と呼ばれる小さなトゲがついており、皮下組織にしっかりと引っかかることで、皮膚全体を持ち上げる仕組みになっています。
この施術の魅力は、単なる引き上げ効果にとどまりません。挿入された糸は一定期間をかけて体内で自然に吸収されますが、その過程で線維芽細胞が刺激を受け、コラーゲンやエラスチンの生成が促されます。つまり、糸リフトは「物理的なたるみ改善」と「内側からの美肌効果」という2つの効果を同時に得られる施術なのです。
また、切開を伴わないためダウンタイムが比較的短く、メスを使わずにフェイスラインを整えたい方や、肌のハリを取り戻したい方にも適した選択肢といえます。たるみだけでなく、毛穴の引き締めや肌質の改善を感じる方も多く、見た目年齢を総合的に若返らせる点で非常に人気があります。
2-2. 効果を左右する「糸の種類」- 素材と形状の違いを知ることが重要

糸リフトの仕上がりや持続期間には、使用する「糸の種類」が大きく関係しています。実は、糸にはさまざまな素材や形状があり、それぞれに特性があるため、どの糸を使うかによって効果も異なってくるのです。
まず素材に関しては、主に「PDO(ポリジオキサノン)」「PCL(ポリカプロラクトン)」「PLLA(ポリL乳酸)」の3種類が使用されています。PDOは吸収が早く、自然なリフトアップ効果が期待できる一方で、持続期間は比較的短めです。PCLは柔軟性が高く、長期的な効果を求める方に適しており、PLLAはコラーゲンの生成力が強く、肌のハリ改善を目的とする方に好まれます。
次に形状の違いも重要です。トゲ状の突起が一方向に付いた「モノコグ」はリフトアップ効果が強く、複雑な形状の「バーブ」や「メッシュタイプ」は皮膚への接触面が広くなるため、より均等な引き上げが可能になります。また、コーン型の糸は肌への負担を抑えながらも安定した効果が得られるよう設計されています。
これらの糸をどのように選ぶかは、たるみの程度や肌の状態、持続期間の希望などによって変わります。さらに、糸の種類によっても必要な本数や挿入の深さが変わってくるため、医師とのカウンセリング時に自分に合った糸を選べるよう、こうした基礎知識を知っておくことは非常に重要です。
第3章 あなたの悩みはどれ?希望を叶える糸リフトの必要本数
糸リフトを検討する際、多くの方が気になるのが「自分の場合、何本必要なのか?」という点ではないでしょうか。必要本数は、解消したいお悩みの部位や、たるみの程度、肌の状態によって大きく変わります。ここでは代表的なお悩み別に、必要本数の目安とその理由について解説します。
3-1. フェイスラインのもたつき・二重あごをシャープにしたい場合

フェイスラインがぼやけて見える、あご下に脂肪がたまり二重あごになっている。そんなお悩みを抱えている方にとって、糸リフトは非常に有効です。顔の輪郭を引き締めるには、比較的広い範囲に対してしっかりとした引き上げが必要となるため、片側あたり3〜6本、両側で6〜12本が目安とされています。
ただし、たるみの程度や脂肪の厚みには個人差があるため、一律ではありません。軽度のたるみであれば少ない本数でも自然な変化を感じられる一方、中程度以上のもたつきには本数を増やすことでしっかりとした変化を実感しやすくなります。特にVラインを作る際は、糸の挿入方向や位置も効果を左右する重要なポイントです。実際の症例写真などを参考に、自分の理想に近い仕上がりを医師と共有しておくことが、本数の最適化にもつながります。
3-2. 気になるほうれい線・マリオネットラインを改善したい場合
口元のたるみやしわは、顔全体の印象を一気に老けさせてしまいます。とくにほうれい線やマリオネットライン(口角から顎にかけてのライン)は、年齢とともに深くなりやすい部位です。糸リフトでこのエリアにピンポイントでアプローチする場合は、片側あたり2〜4本、両側で4〜8本程度が一つの目安になります。
ただし、たるみの引き上げだけでは溝を完全に消すことが難しいケースもあり、その場合はヒアルロン酸やスキンブースターとの併用が効果的です。たるみとボリュームロスが混在していることが多いため、糸だけに頼るのではなく複合的な施術プランを考えることが、より自然な仕上がりにつながります。
3-3. 年齢によるたるみ(30代・40代・50代〜)に必要な本数の違い
年齢を重ねるごとに、たるみの原因や範囲も変化していきます。30代ではたるみそのものよりも「なんとなく疲れて見える」といった軽微な印象変化に悩む方が多く、片側2〜4本程度の少ない本数でナチュラルな引き上げを目指すケースが多くなります。
40代になると、フェイスラインのもたつきや口元の影が気になり始め、片側5〜6本以上の本数でしっかりとした引き上げを検討する方が増えてきます。さらに50代以降では、たるみの進行が進んでいることが多いため、糸の本数も片側で6〜8本以上、場合によっては10本以上を必要とすることもあります。
年齢に応じて、糸の本数だけでなく施術の組み合わせやアプローチの工夫も必要になってきます。無理に若い頃の状態に戻すのではなく、「今の自分にとって最も自然で美しい形」を目指すことが、本数設定のベースとなる考え方です。
第4章 失敗しない!専門医と最適な本数を見つけるための3ステップ

糸リフトで満足のいく結果を得るには、「何本入れるか」という本数の問題を、自己判断ではなく専門医と一緒に考えることが欠かせません。ここでは、理想の仕上がりを叶えるために重要な3つのステップをご紹介します。
4-1. 【STEP1】カウンセリングで理想の仕上がりを具体的に伝える
カウンセリングは、施術の成否を分ける最初のステップです。なんとなく「たるみをなくしたい」「若々しくなりたい」と伝えるだけでは、医師にとっても具体的な施術プランを立てるのが難しくなってしまいます。より精度の高い提案を受けるためには、「どの部分が気になるか」「どう見せたいか」をできる限り言語化することが大切です。
たとえば、「頬の高さをもう少し上げたい」「フェイスラインをV字型にしたい」といった具体的なイメージを伝えると、医師は適切な本数や糸の種類を検討しやすくなります。また、過去の自分の写真や、理想とする芸能人の画像を持参することも非常に有効です。視覚的な共有は、言葉では伝えきれない細かなニュアンスを補ってくれます。
4-2. 【STEP2】経験豊富な医師による「引き上げシミュレーション」を受ける
信頼できる医師であれば、カウンセリング時に「どこまで引き上がるか」をシミュレーションしてくれることが多いです。実際に手で皮膚を軽く持ち上げたり、専用の器具で引き上げ具合を確認したりといったプロセスを通じて、仕上がりのイメージを視覚化できるのです。
このシミュレーションによって、「どこに何本の糸を入れると、どの程度変化が出るのか」という感覚が共有できるため、術後に「思ったより変わらなかった」「引き上がりすぎた」といったギャップを防ぐことができます。経験豊富な医師であれば、骨格や皮膚の状態を見て、本数だけでなく糸の挿入角度や深さまで考慮した提案をしてくれます。
4-3. 【STEP3】予算と効果のバランスを相談し、納得できる治療計画を立てる
理想的な本数を提案されても、予算オーバーで迷ってしまうことは少なくありません。そのようなときは、無理をせず、率直に医師に予算を伝えることが大切です。信頼できるクリニックであれば、限られた予算内でも最大限の効果を出すための方法を一緒に考えてくれるはずです。
たとえば、糸の種類を変更して持続期間を短くする代わりに本数を減らす、リフトアップの範囲を頬だけに限定するなど、柔軟な対応が可能なケースもあります。重要なのは、最終的に「これで納得できる」と思える施術 計画を立てること。そのためには、医師との信頼関係と率直なコミュニケーションが欠かせません。
第5章 知っておきたい糸リフトの費用相場と施術後の注意点

糸リフトは本数によって費用や効果に大きな差が生まれる施術です。そのため、事前に相場を知り、自分に合ったプランを見極めることが大切です。また、施術後のダウンタイムや追加施術の可否についても、正しく理解しておくことで、より安心して受けられるでしょう。
5-1. 本数で変わる料金体系|1本あたりの費用と「入れ放題」プランの賢い選び方
糸リフトの費用は「1本いくら」という料金設定が一般的で、素材やクリニックによって差がありますが、1本あたり1万円〜3万円程度が相場とされています。仮に片側6本・両側12本を入れる場合、合計10万円〜30万円前後が目安となります。
最近では「入れ放題」や「◯本まで定額」といったプランを用意しているクリニックも増えてきました。こうしたプランは、一見お得に見える一方で、注意すべき点もあります。たとえば「使える糸の種類が限られている」「本数が多くても効果が過剰で不自然になりやすい」といったリスクもあるため、内容をよく確認したうえで選ぶことが大切です。
料金が安価に感じられても、糸の素材や医師の技術によっては持続力や満足度に差が出るため、単純に価格だけで決めるのではなく、トータルで納得できる選択を心がけましょう。
5-2. 施術後のダウンタイムは?症状と期間、過ごし方のポイント
糸リフトはメスを使わない施術であるため、比較的ダウンタイムが短いといわれていますが、それでも一定の症状が出ることは避けられません。多くの方が経験するのは、施術直後の腫れや軽度の内出血、鈍い痛み、笑ったときや口を開けたときのひきつれ感などです。
これらの症状は、通常1週間〜10日程度で軽快します。ただし、腫れや違和感が強く現れるのは施術後2〜3日目がピークであり、その後徐々に落ち着いていきます。大事な予定がある場合は、施術から1〜2週間の余裕を見ておくのが安心です。
また、ダウンタイムを少しでも快適に過ごすためには、施術部位を冷やしすぎないことや、強く顔を動かすような行動を控えることが大切です。うつ伏せで寝る、頬杖をつくなどの圧迫行為も避けましょう。腫れを早く引かせたい場合は、睡眠や栄養バランスにも気を配ってください。
5-3. 効果が物足りない…後から糸を追加することは可能?
施術後に「思ったほど引き上がらなかった」「もう少しリフト感がほしい」と感じた場合、追加で糸を入れることは可能です。初回で様子を見ながら施術し、数週間〜数ヶ月後に追加するという計画を立てることもあります。
ただし、すぐに追加できるわけではありません。施術直後は腫れやむくみが残っているため、最低でも2〜3週間は様子を見るのが一般的です。ダウンタイムが完全に落ち着いてから、本当に効果が足りないのかを判断したうえで、追加施術の必要性を検討するのがよいでしょう。
再度糸を入れる際には、費用が別途発生することが一般的であるため、予算の確認も重要です。また、追加する糸の種類や本数によっては、前回と異なるプランになることもあるため、施術を受けたクリニックで相談するようにしましょう。
第6章 まとめ:自分だけの最適な本数を見つけ、理想のフェイスラインを手に入れよう
糸リフトは、本数によって効果や満足度が大きく左右される施術ですが、だからといって「平均◯本」や「◯本以上なら確実」といった情報だけで判断することはおすすめできません。本当に大切なのは、ご自身の顔立ちやたるみの程度、理想の仕上がりに応じて、本数・糸の種類・注入位置を最適化することです。
6-1. 糸リフトの本数選びで最も重要な「たった1つ」のこと
これまでの章でご紹介した通り、糸リフトに必要な本数は人それぞれです。フェイスラインのもたつきが気になる方と、ほうれい線を改善したい方ではアプローチも違いますし、年齢や肌質によっても必要な本数や糸の種類は変わってきます。
つまり、糸リフトを成功させるうえで最も重要なのは、「正確な診断と、それに基づいた的確な提案をしてくれる医師に出会うこと」です。インターネット上の平均本数や口コミも参考にはなりますが、それはあくまで一例であり、ご自身にぴったり合った施術プランを立てるには、医師の診察が不可欠です。
6-2. まずは無料カウンセリングで専門医に相談から始めよう
「何本が適正か分からない」「効果が出るか不安」と感じるのは当然です。だからこそ、まずは無料カウンセリングを受けてみることをおすすめします。実際に医師と対面で相談することで、ご自身の悩みや理想像に合った本数や施術方針を提案してもらえます。
複数のクリニックで話を聞くことで、料金や提案内容を比較し、自分に合った医師を見つけることができます。決して焦らず、自分が納得できるまで検討することが、後悔のない結果に繋がります。
最適な本数で、自然な美しいフェイスラインを実現するために、まずは一歩踏み出してみてください。
監修
クリニック院長
清水 優人

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