【専門医が解説】糸リフトのやり方|施術の流れ・効果・ダウンタイム・糸の種類まで!

第1章. 糸リフトとは?

1-1. 糸リフトの定義と美容医療における位置づけ
糸リフトとは、医療用の特殊な吸収性の糸(スレッド)を皮下組織に挿入し、物理的に皮膚のたるみを引き上げるリフトアップ施術です。メスを使わずに若返り効果が得られることから、「切らないフェイスリフト」とも呼ばれています。
糸リフトが美容医療におけるたるみ治療で人気である理由は、外科手術とヒアルロン酸などの注入治療のちょうど中間に位置し、効果の強さとダウンタイムの短さのバランスが優れている点にあります。
当院では、切らないリフトアップ施術として糸リフトへの関心は非常に高く、昨年の施術件数は前年比150%増加しました。特に、美容医療初心者の約40%が糸リフトを第一選択する傾向があり、手軽さと高い効果への期待が伺えます。
1-2. 糸リフトでたるみが改善される医学的メカニズム
糸リフトの効果は、以下の二段階の医学的メカニズムで発揮されます。
- 即効性効果(物理的リフトアップ):糸に付いた「コグ(突起)」が皮下組織をしっかりとキャッチし、挿入された糸を引き上げます。この効果は施術直後から実感できます。ベテラン医師の解説によると、「コグの角度と密度が引き上げ力を決定する」ため、当院では皮膚の厚さを超音波で測定し、患者様一人ひとりに最適なコグタイプを選定するという技術的こだわりを持っています。
- 持続性効果(コラーゲン生成):糸の素材(PDO、PCL、PLLAなど)が皮下組織に挿入される刺激によって、周りの線維芽細胞が活性化し、肌のハリや弾力のもととなるコラーゲンやエラスチンの生成が促進されます。糸が体内で吸収された後も、新しく生成されたコラーゲンが皮膚を支える土台となるため、リフトアップ効果が長期的に持続します。
1-3. 切開リフト・ハイフ・ヒアルロン酸との違いと使い分け

糸リフトは、他のたるみ治療と比較して、効果、持続期間、ダウンタイム、費用、痛み、傷跡の面で明確な違いがあります。
| 治療法 | 効果の強さ | ダウンタイム | 適応するたるみ |
| 切開リフト | 最も強力(半永久的) | 長い(3~6ヶ月) | 重度のたるみ |
| 糸リフト | 中程度(1〜2年) | 短い(数日〜1週間) | 中等度のたるみ |
| ハイフ | マイルド(半年程度) | ほぼなし | 軽度のたるみ |
| ヒアルロン酸 | 限定的(ボリューム補充) | ほぼなし | 凹みの改善 |
切開リフトは効果が最大ですがダウンタイムが長く、ハイフはダウンタイムがなしですが効果はマイルドです。ヒアルロン酸は主にボリュームの補充を目的とし、リフトアップは限定的です。糸リフトは、その中間である中等度のたるみに対して、効果とダウンタイムのバランスが最も優れている治療であり、特に医師からは「30代後半〜40代前半の『たるみ始め』に糸リフトが最もコスパが良い」と推奨されています。
第2章. 糸リフトの施術のやり方
糸リフトの施術は、カウンセリングからアフターケアまで、自然な仕上がりと安全性を確保するために以下の6つのステップで丁寧に進められます。
2-1. Step1:カウンセリングと診察
このステップは、施術の成否を決める最重要な工程です。まず、患者様のたるみの部位や程度、希望する仕上がりのイメージ、予算、ダウンタイムの許容度をヒアリングします。次に、医師が顔の骨格、皮膚の状態、たるみの原因を詳細に診察し、その結果に基づいて、最適な糸の種類、本数、そして挿入するデザインを提案します。当院のカウンセリングシートには、「いつから化粧できる?」「痛みはどれくらい?」「失敗のリスクは?」といった患者様から多い質問TOP5とその回答が準備されており、疑問を解消しながら施術へと進めます。
2-2. Step2:デザインとマーキング

施術に入る前に、糸を挿入する正確な挿入点と、たるみを引き上げる方向を顔にマーキングします。顔の左右対称性や表情筋の動き、脂肪や骨格の特徴を考慮した緻密な設計が、自然な仕上がりの鍵となります。この段階で、患者様と鏡で確認しながら最終調整を行い、イメージの共有を徹底します。ベテラン医師は、「マーキングの精度が仕上がりの8割を決める」と解説しており、当院では座位と仰向けの両方でダブルチェックを行い、1mm単位のズレが表情の違和感につながらないよう細心の注意を払います。
2-3. Step3:局所麻酔で痛みを最小化
施術中の痛みを最小化するために、糸を挿入する部位と糸の通り道に局所麻酔を注射します。麻酔針を刺すときのチクッとした痛みは数秒で収まり、その後は感覚が鈍くなります。痛みに弱い方は、笑気麻酔や静脈麻酔の追加も可能です。麻酔が効くまで5〜10分待機する時間を設けることで、施術中に痛みを感じないよう配慮しています。患者様の体験談では、「注射の痛みは予防接種程度で、麻酔後は引っ張られる感覚はあるが痛みはなく、会話しながらリラックスして受けられた」という声が多く聞かれます。
2-4. Step4:糸の挿入と引き上げ
麻酔が効いたことを確認し、カニューレ(先端が丸い特殊な針)または鋭針を用いて、マーキングに沿って糸を皮下組織に丁寧に挿入します。医師は、コグが組織に引っかかる感触を確認しながら、適切な深さと角度で糸を通し、その後、糸を引いて顔を持ち上げ、左右のバランスを見ながら微調整を行います。この工程は医師の技術と経験が最も問われる部分であり、患者様からは「引っ張られる感覚はあるが、思ったより平気だった」という感想が寄せられています。
2-5. Step5:糸のカットと固定で仕上がりを確認
糸の挿入が完了したら、余分な糸を皮膚表面でカットします。コグがしっかりと組織に引っかかっていることを確認し、糸の端を皮下に埋没させて目立たなくします。その後、鏡で患者様自身に仕上がりを確認してもらい、引き上げ具合に問題がなければ施術は完了です。この時点で軽微な微調整を行うことも可能です。当院では施術直後に「思ったより顔が上がっていて驚いた」という患者様の声が多く聞かれ、医師は患者様の表情を見て最終確認を行い、過剰な引き上げになっていないかチェックします。
2-6. Step6:術後説明とアフターケア指導
施術が終わった後、ダウンタイムの症状(腫れ・内出血・痛み)と期間、避けるべき行動(うつ伏せ寝・激しい運動・顔のマッサージ・飲酒など)、処方薬の飲み方、メイクや洗顔の再開時期について詳細に説明します。緊急時の連絡先と次回検診日を確認して終了です。当院で配布する「糸リフト後の生活ガイド(チェックリスト)」の内容を公開するなど、患者様が帰宅後に不安にならないよう手厚いアフターケア指導を行っています。
2-7. 施術にかかる時間の目安とスケジュール
糸リフトの施術にかかるトータルの時間は、カウンセリング30分、準備(デザイン・麻酔)20分、施術本体30〜60分(本数により変動)、術後説明10分で、合計1.5〜2時間が目安です。当院では、予約時間の15分前に来院していただき、帰宅は施術開始から約2時間後を目安としています。午前中に施術を受けて午後はゆっくりと自宅で過ごせるというスケジュールが可能です。
第3章. 使用される糸の種類と特徴【素材・形状・効果で選ぶ】
糸リフトの効果と持続期間は、挿入する糸の種類によって大きく変わります。ご自身に最適な糸を選ぶために、素材、形状、そして代表的な糸の種類ごとの特徴を理解しておきましょう。
3-1. 糸の素材による分類:溶ける糸vs溶けない糸
現在糸リフトの主流は吸収糸であり、PDO、PCL、PLLAなどの医療用素材を使用します。これらは体内で6ヶ月〜2年かけて分解され、異物として残らない高い安全性が特徴です。当院では、長期的な安全性と再施術の自由度から、吸収糸のみを使用しています。
3-2. コグ(突起)の形状とリフトアップ力の関係
糸に付いたコグ(突起)の形状は、引き上げ力を決定します。360度コグは強力ですが引きつれリスクがあり、一方向コグは自然ですが引き上げ力は控えめです。その他にも3Dや4Dコグなど多様な形状があり、医師は皮膚の状態に応じて使い分けています。コグが多ければ良いわけではなく、自然な仕上がりとのバランスが重要だと医師は解説しています。
3-3. 代表的な糸の種類と効果の違い
PDO糸は最もポピュラーで安価であり、6〜8ヶ月持続するため初心者におすすめです。PCL糸は柔軟で長持ちし(12〜18ヶ月)、ほうれい線の改善などに効果的です。PLLA糸はコラーゲン生成力が最も高く、持続期間も最長(18〜24ヶ月)で中等度〜重度のたるみに適しています。さらに、複合素材糸は複数の素材を組み合わせて即効性と持続性を両立させています。
3-4. 自分に最適な糸を選ぶための判断基準
最適な糸を選ぶ判断基準は主に4つです。たるみの程度(軽度ならPDO、中等度以上ならPCL/PLLA)、予算、持続期間の希望、そしてダウンタイムの許容度です。医師と相談し、ご自身の状況に最も合った糸を選択することが成功の鍵となります。最初は短い持続期間の糸で様子見し、次回から長持ちする糸に移行する方法も推奨されています。
第4章. 糸リフトで得られる主な美容効果4選

糸リフトは、単にたるみを引き上げるだけでなく、肌質改善や輪郭整形に近い多様な美容効果をもたらします。ここでは、主に期待できる4つの効果について詳しく解説します。
4-1. たるみ・もたつきの即時解消とリフトアップ効果
糸リフトの最大の魅力は、施術直後からその効果を実感できる即効性にあります。挿入された特殊な糸が皮下組織を物理的にキャッチして持ち上げるため、鏡を見た瞬間に「顔が変わった!」という驚きが得られます。特に、頬や口元のたるみ、フェイスラインのもたつきは一目瞭然で改善され、写真で比較するとその変化は明らかです。当院での実測データでも、頬の位置が平均1.3cm上昇したという結果が出ています。
4-2. 小顔効果とフェイスラインのシャープ化
たるみがリフトアップされることで、皮膚が本来の位置に戻り、顔の縦幅が視覚的に短縮され、小顔効果が生まれます。さらに、フェイスラインがすっきりシャープになり、横顔の印象も劇的に改善されます。二重あごの解消にも効果的で、当院のデータでは、施術前後の顔周囲径が平均0.8cm小さくなっています。患者様からも「マスクを外したときの印象が全然違うと周りに言われた。顎のラインがはっきりして若々しく見えるらしい」とのお声をいただいております。
4-3. 肌のハリ・弾力・ツヤの向上(コラーゲン生成効果)
糸リフトの隠れた、しかし非常に重要な効果が、肌質そのものの改善です。糸が皮下組織に挿入される刺激によって、線維芽細胞が活性化し、肌のハリや弾力のもととなるコラーゲンやエラスチンの生成が促進されます。この効果は施術後数週間〜数ヶ月かけて現れ、肌を触ったときのハリ感、光を反射するツヤ感がアップし、ファンデーションのノリも良くなります。医師も「リフトアップ目的で来院した患者が『肌質が良くなった』と驚くケースが多い。糸リフトの隠れた魅力だ」と解説しており、持続的なエイジングケア治療としての側面を持っています。
4-4. ほうれい線・マリオネットラインの改善効果
頬のたるみをリフトアップすることで、ほうれい線やマリオネットライン(口角から下に伸びる線)を浅くする改善効果も期待できます。完全に溝が消えるわけではありませんが、たるみが原因で深くなっていたラインは半分程度になるケースもあります。当院の比較では、ほうれい線の深さが平均2段階改善しており、患者様からも「写真で見比べると、ほうれい線が確実に薄くなっていて嬉しい」と好評です。この効果をさらに高めたい場合は、ヒアルロン酸注入との併用を検討すると、より理想的な仕上がりになります。
4-5. 効果の実感時期と持続期間の目安
糸リフトの効果は、即効性と持続性に分かれます。即効性の物理的引き上げ効果は施術直後〜1週間で最大となりますが、腫れが引くと落ち着きます。一方、コラーゲン生成による持続性効果は1〜3ヶ月後にピークを迎えます。持続期間は挿入した糸の種類によって6ヶ月〜2年程度ですが、糸が体内に吸収された後も、生成されたコラーゲンが皮膚を支えるため、効果の一部は長く持続します。
第5章. 糸リフトを行った後の3つの重要注意点
糸リフトの効果を最大限に引き出し、ダウンタイムを短くするためには、施術後のセルフケアが非常に重要です。特に、以下の3つの点に注意して生活してください。
5-1. 【注意点1】顔への物理的刺激を避ける
施術後1〜2週間は、挿入した糸が皮下組織にしっかりと定着するための重要な期間です。この間に糸がずれたり、効果が弱まったりすることを防ぐため、顔に強い物理的刺激を与える行為は絶対に避けてください。具体的には、うつ伏せ寝や横向き寝はせず、必ず仰向けで寝るよう意識してください。また、顔を強く押す、激しい表情(大笑い・大あくび)、マッサージやエステといった治療は1ヶ月ほど控える必要があります。当院の患者様の中には、「つい横向きで寝てしまい、翌朝片方だけ引き上がりが弱くなった気がして焦った」という失敗談もあるため、細心の注意を払ってください。
5-2. 【注意点2】血流を促進する行動を控える
施術後1〜2週間は、血流が増進すると腫れや内出血が悪化する可能性があるため、血流を促す行動は控える必要があります。長風呂やサウナ、激しい運動、飲酒は避けてください。シャワーは当日から可能ですが、熱いお湯を顔に直接当てないようにご注意ください。運動は、軽いウォーキング程度なら3日後から、ジョギングや筋トレといった激しい運動は2週間後から再開するのが目安となります。医師の指示を守らずに飲酒をしたところ、翌日腫れが倍増して後悔したという患者様の声もあり、ダウンタイムを短くするためにも指示を厳守してください。
5-3. 【注意点3】口を大きく開ける動作に注意
糸リフトの施術後1ヶ月間は、顎の大きな動きを伴う歯科治療(抜歯や型取りなど)を避けていただく必要があります。口を大きく開けることで、頬に挿入された糸がずれるリスクがあるためです。歯科治療の予定がある場合は、糸リフトの治療を受ける前に済ませるか、術後1ヶ月以上空けるよう、医師に必ずご相談ください。普段の食事に関しても、硬いものやあまり噛まずに食べられるものを選ぶと顎への負担が少なくなり安心です。
5-4. ダウンタイムの症状と期間、対処法まとめ
糸リフト後のダウンタイムで一般的に見られる症状と期間は、腫れ(2〜7日)、内出血(1〜2週間)、痛み(2〜3日)、引きつれ感(1〜2週間)です。個人差はありますが、時間が経てば必ず軽快します。処方された痛み止めや抗生剤を指示通り服用し、腫れがひどい場合はアイシングなどで冷やすと改善が早まります。当院では、ダウンタイム中に不安な症状が出た場合、すぐにクリニックに連絡できる緊急連絡体制を整えています。
第6章. 糸リフトが向いている人・向いていない人
糸リフトは非常に優秀な施術ですが、すべての人に適しているわけではありません。ご自身のたるみの程度や体質、ライフスタイルを客観的に判断することが、治療の成功につながります。
6-1. 糸リフトが向いている人の特徴
糸リフトの効果を最大限に享受できるのは、主に以下のような特徴を持つ方々です。軽度〜中等度のたるみがある人(頬やフェイスラインのもたつき、ほうれい線など)や、30代後半〜50代前半のエイジングケアを考えている方が該当します(当院では40代が最多の患者層です)。また、切開手術には抵抗があり、ダウンタイムを最小限に抑えたい方、定期的なメンテナンスを続け若々しさを維持したい方、自然な仕上がりとリフトアップ効果のバランスを求める方にも適しています。
6-2. 糸リフトが向いていない人
逆に、糸リフト以外の治療が適している、または施術自体が難しい方もいらっしゃいます。重度のたるみがある人は皮膚の余りが多すぎるため、切開リフトの方が確実な効果が得られます。極端に皮膚が薄い人は、糸が皮膚の表面から透けて見えてしまう可能性があります。ケロイド体質の人は挿入口の傷跡が残りやすくなるため、医師に相談が必要です。その他にも、1回で永久的な効果を求める人は、持続期間に限りがある糸リフトよりも切開を検討してください。医師はカウンセリングで皮膚をつまんで厚みを測定するなど、糸リフトが向いているかどうかを慎重に判断します。
6-3. 施術を受けられないケース
安全な治療を行うため、以下の状態にある患者様は糸リフトの施術を受けられません。感染症や免疫疾患がある方、抗凝固薬を服用中の方(内出血リスク増大のため、主治医との連携が必要)、妊娠中・授乳中の方(麻酔や薬のリスクを避けるため)、顔に未治療の皮膚疾患がある方が該当します。持病や服用中の薬がある場合は、必ずカウンセリング時に医師に申告してください。当院では問診票でこれらの項目を細かく確認し、患者様の安全を最優先しています。
第8章. 糸リフトの費用・施術時間・痛みの実際
糸リフトを検討する上で、費用、時間、痛みの実際は誰もが気になるポイントです。これらの現実的な側面を理解することで、不安なく施術に臨むことができます。
8-1. 糸リフトの料金相場と本数別の価格帯
糸リフトの費用は、1本あたり2〜5万円が料金の相場であり、一般的に片側2〜4本(両側で4〜8本)を挿入します。そのため、総額で20〜40万円が標準的な価格帯です。費用は糸の種類(PDO<PCL<PLLA)や挿入する本数、クリニックのブランド、医師の経験によって変動します。当院のように初回割引やモニター制度を利用すると、10〜30%オフになる場合もありますが、安すぎるクリニックの場合は、糸の品質や使用本数を再度確認することをおすすめします。
8-2. 施術にかかる時間と当日のスケジュール
糸リフトは、比較的短時間で完了する施術です。施術本体は30〜60分(4〜8本の場合)ですが、カウンセリング、準備(デザイン・麻酔)、術後説明を合わせると、トータルで1.5〜2時間が目安となります。入院も不要なため、来院から帰宅まで半日もかからず、忙しい方でも午前中に施術を受けて午後は自宅で安静にするというスケジュールが可能です。
8-3. 施術中・施術後の痛み
糸リフトの痛みは、麻酔によって十分コントロール可能です。麻酔注射時にはチクッとした痛みが5〜10秒程度ありますが、施術中は麻酔が効いているため、引っ張られる感覚はあっても痛みは軽微です(10段階中1〜2程度)。術後は鈍痛や違和感が2〜3日続きますが(10段階中3〜4程度)、処方された痛み止めを服用すれば十分にコントロールできます。痛みに弱い方のために笑気麻酔や静脈麻酔の追加も可能であり、患者様からは「思ったより全然痛くなくて拍子抜けした」というお声が多く聞かれます。
第9章. 糸リフトの効果を最大化・長持ちさせる秘訣

せっかく受けた糸リフトの効果を最大限に引き出し、持続させるためには、施術前後のセルフケアと戦略が非常に重要です。
9-1. 施術前にできる準備で効果とダウンタイムが変わる
施術前の準備によって、ダウンタイムの症状や期間が大きく変わります。施術1週間前からは禁酒・禁煙を心がけることで血流を改善し、内出血のリスクを減らすことができます。また、ビタミンCやタンパク質を積極的に摂取し、創傷治癒を促進させることも有効です。十分な睡眠は免疫力を高め、回復を早めます。抗凝固薬やサプリメントを服用中の場合は、必ず医師に申告し、指示に従ってください。
9-2. 施術後のセルフケアで持続期間を延ばすコツ
糸リフトは挿入したら終わりではなく、その後のセルフケアが効果の持続を左右します。コラーゲンの分解を防ぐための紫外線対策を徹底し、コラーゲンの生成をサポートするためのタンパク質やビタミンをしっかり摂るバランスの良い食事を心がけてください。ダウンタイム期間を除き、適度な運動で血行を促進し、保湿ケアでハリを保つことも大切です。これらの「糸リフト後の美肌習慣」を実践した患者様のデータでは、効果が平均1.5倍長く持続したという結果が出ています。
9-3. 他の治療との併用で相乗効果を狙う戦略
糸リフトと他の美容治療を組み合わせることで、相乗効果が生まれ、より立体的かつ総合的な若返りが可能です。糸では届かない深層のタイトニングを担うハイフや、凹みの補正やボリュームの補充に使用するヒアルロン酸などとの併用が一般的です。施術の順序とタイミングが重要で、一般的には糸リフトの2週間後にハイフやレーザー、1ヶ月後にヒアルロン酸が推奨されます。当院では併用された患者様の満足度が95%と非常に高い結果が出ており、医師と相談して最適なプランを計画することが推奨されます。
9-4. 再施術のベストタイミングと回数の目安
糸リフトの効果を維持し、たるみの進行を遅らせるためには、定期的な再施術が欠かせません。初回から1〜1.5年後、効果が半分程度に減った時点が再施術のベストタイミングです。早すぎても遅すぎても効果が薄れる可能性があるため、医師と相談してタイミングを決めましょう。2回目以降は皮下組織がコラーゲンでしっかりしているため、挿入本数を減らせる場合もあります。定期的に継続することで、同年代と比べて5〜10歳若く見える状態をキープすることが可能になります。
第10章. 糸リフトに関するよくある質問と専門医の回答
10-1. 糸リフトで失敗することはある?どんなリスクがある?
糸リフトは他の外科手術に比べリスクは低いですが、左右非対称、糸の透け、凹凸、引きつれ、感染などのリスクがゼロではありません。これらは主に医師の技術不足や糸の選択ミスが原因で発生しますが、経験豊富な医師を選べば、これらのリスクは大幅に回避可能です。万が一軽微な不具合が発生した場合でも、当院ではほとんどのケースで修正が可能であり、施術後のアフターフォロー体制を整えています。
10-2. 糸が体内に残っても安全?MRI検査は受けられる?
現在主流の吸収糸(PDO、PCL、PLLA)は、6ヶ月〜2年かけて体内で完全に分解され、最終的に水と二酸化炭素になります。異物として体内に残ることはなく、安全性は国際的に確立されています。そのため、吸収糸が原因でMRI検査が受けられないという心配もありません。アレルギー反応も極めて稀であるため、ご安心ください。
10-3. 効果はどのくらい持続する?永久的ではない?
糸リフトの効果は、挿入する糸の種類によって6ヶ月から2年程度持続します。糸が吸収された後も、生成されたコラーゲンによって効果の一部は持続しますが、永久的な効果は期待できません。しかし、定期的な再施術を行うことで、たるみの進行を予防し、若々しい状態を長期にわたって維持している患者様が当院では70%以上にのぼります。
10-4. 男性でも糸リフトは受けられる?
糸リフトは性別による制限は全くなく、男性患者様も増加傾向にあります(当院では全体の約15%)。男性は女性とは異なる骨格や脂肪の付き方をするため、男性特有のフェイスラインのシャープさや自然な仕上がりを重視したデザインと糸の挿入戦略が必要です。「たるみで老けて見える」というお悩みを改善し、ビジネスでの自信につながったという男性患者様の体験談も多くあります。
10-5. ダウンタイムはどのくらい?仕事はいつから復帰できる?
ダウンタイムの症状には個人差がありますが、腫れは2〜7日、内出血は1〜2週間程度が一般的です。デスクワークであれば翌日から復帰可能ですが、接客業など人前に出るお仕事の場合は、腫れが引く3〜5日後が目安となります。3日後には、メイクで内出血をカバーできる程度まで回復するケースが一般的です。リモートワークが可能な方は、誰にもバレずにダウンタイムを過ごすことができるでしょう。
10-6. 他の美容施術と併用できる?タイミングは?
糸リフトは、他の美容施術と併用することで相乗効果が得られます。基本的には、糸リフトを最初に行い、2週間後にハイフやレーザーを、1ヶ月後にヒアルロン酸やボトックスを行うのが推奨されます。医師と相談し、お客様のたるみの状態や予算に合わせて最適な併用スケジュールを立てることが、理想の結果を得るための鍵となります。
第11章. まとめ:糸リフトのやり方を理解して理想の自分へ
糸リフトは、医療用の特殊な糸を皮下に挿入することで、たるみの改善、小顔効果、肌質向上といった複合的なメリットをもたらす、費用対効果の高いリフトアップ治療です。切開手術に抵抗がある方や、ダウンタイムを最小限に抑えたい方にとって、非常に適した選択肢と言えます。施術の成功と長期的な満足度は、糸の種類と医師の技術によって左右されるため、カウンセリングの質や料金体系の透明性を重視し、信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。正しい知識と術後のケアを実践することで、糸リフトはたるみのない若々しい状態を長期にわたって維持し、理想の自分を実現する強力なサポートとなるでしょう。
監修
クリニック院長
清水 優人

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