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 糸リフトの仕組みを医師が徹底解説|コグ・コラーゲン生成・糸の種類まで丸わかり

    「糸リフトって、どうやってたるみを引き上げているの?」「糸が溶けてしまったら、効果はなくなってしまうのでは?」こうした疑問を持ちながら、糸リフトの施術を検討している方も多いのではないでしょうか。

    糸リフト(スレッドリフト)は、メスを使わずにたるみを改善できるリフトアップ施術として近年大きな注目を集めています。しかし、仕組みを正しく理解せずに受けると、術後の経過に対して必要以上に不安を抱えてしまうことがあります。仕組みを知れば、なぜリフトアップ効果が現れるのか、どのくらい持続するのか、そしてどんな人に向いているのかが自然と分かるようになるのです。

    本記事では、糸リフトのリフトアップ原理から、コグの構造・コラーゲン生成のメカニズム・糸の素材の違い・施術の流れまでを、医師の視点から丁寧に解説します。施術を検討中の方はもちろん、すでに施術を受けた方が経過を理解するためにもお役立てください。

    第1章 糸リフトとは?切らずにたるみを引き上げるスレッドリフトの全体像

    糸リフト(スレッドリフト)がどのような施術であるかを理解することは、仕組みを正しく把握するための第一歩です。ここでは全体的な概要と、切開リフトとの違いを整理します。

     1-1. 糸リフト(スレッドリフト)の基本的な仕組み

    糸リフト(スレッドリフト)は、特殊な医療用の糸を皮下に挿入し、たるんだ組織を引き上げる施術です。使用する糸には「コグ」と呼ばれる細かいトゲ状の突起が付いており、このコグが皮下組織にしっかりと引っかかることで、フェイスラインや頬のたるみを物理的に持ち上げます。

    糸リフトの効果は、この物理的な引き上げだけにとどまりません。挿入された糸が体内で異物として認識されると、自然治癒反応が起こり、コラーゲン生成が促進されます。つまり、スレッドリフトは「即時的なリフトアップ」と「時間をかけて進む肌質改善」という二段階の効果をもたらす施術です。

    臨床の場では、患者様からたびたび「糸が入っているだけで本当に引き上がるの?」というご質問をいただきます。しかし、コグの構造と生体反応のメカニズムを理解すると、なぜ持続的な効果が得られるのかが明確になります。

     1-2. 切開リフトとの違い:メスを使わないリフトアップの特徴

    糸リフトとよく比較される施術に、切開リフトがあります。両者の違いを正しく把握することが、自分に合った施術を選ぶための重要な判断材料となります。

    比較項目糸リフト(スレッドリフト)切開リフト(フェイスリフト)
    侵襲度低い(針穴のみで施術可能)高い(耳の周りなどの皮膚を切開)
    ダウンタイム数日〜2週間程度(腫れや内出血)1〜3ヶ月程度(強い腫れや拘縮など)
    効果の持続期間1〜3年程度(糸の素材による)10年程度
    適応するたるみ軽度〜中等度のたるみ・予防重症のたるみ及び皮膚余剰によるたるみ
    修正のしやすさ比較的容易困難

    糸リフト(スレッドリフト)は、ダウンタイムを短く抑えてリフトアップしたい方や、まだたるみが軽度の段階で早めにケアをしたい方に向いています。一方、重度のたるみにはスレッドリフト単体では限界があるため、切開リフトが推奨されることもあります。

     第2章 コグが皮下組織を掴んで引き上げる物理的メカニズム

    スレッドリフトのリフトアップ効果の根幹は、コグの構造にあります。この章では、コグがどのように組織を捉え、フェイスラインをリフトアップさせるのかを詳しく解説します。

     2-1. コグ(トゲ)の構造と皮膚を支える原理

    コグとは、糸の表面に加工された細かいトゲ状の突起です。皮膚の下に挿入された糸のコグが皮下組織に引っかかることで固定力を発揮します。コグの向きには「一方向性(モノディレクショナル)」と「双方向性(バイディレクショナル)」の2種類があります。

    一方向性コグは、糸の一方向にのみトゲが向いており、固定点を起点に一方向へリフトアップする力を発揮します。双方向性コグは、糸の中央から両端に向かってコグが向いており、糸の中心が固定点となって両側から組織をリフトアップさせる仕組みです。

    現在は、モールディングテクノロジーと呼ばれる製造技術により、糸とコグが一体成型で作られる製品が主流となっています。この技術により、コグの強度が増し、リフトアップ力の持続性が向上するのです。コグが皮下組織をしっかり捉えるほど、フェイスラインの引き上がりも安定します。

     2-2. 挿入する層の違いが仕上がりを左右する:皮下脂肪層とSMAS層

    糸をどの層に挿入するかは、仕上がりの自然さと効果の強さに直接影響します。顔の皮膚は表面から順に、表皮→真皮→皮下脂肪層→SMAS(筋膜)層→筋肉という構造になっています。

    一般的なスレッドリフトは皮下脂肪層に糸を挿入し、脂肪ごとフェイスラインをリフトアップさせる方法が多く採用されています。一方、SMAS層にコグを到達させるアプローチは、より深い位置から引き上げるため、リフトアップ効果が強く持続性も高まる傾向があります。しかし、SMAS層への挿入は高度な技術が求められるため、医師の経験が仕上がりに大きく左右します。

    臨床現場では、同じ本数の糸でも、挿入する層のデザインが異なるだけで、引き上がりの自然さや持続期間に明確な差が現れます。患者様の顔の脂肪の厚さや骨格に合わせた挿入プランが重要です。

     2-3. 挿入位置と本数による仕組みの理解:効果の差を生む2つの要因

    糸の挿入位置は、主にこめかみ・耳前の生え際に設けた小さな針穴から行われます。これらの部位は、髪の毛で隠れる位置にあるため、挿入口の傷跡が目立ちにくい点もメリットです。

    本数については「多ければ多いほど良い」というわけではありません。顔の骨格やたるみの状態に合わせた適切な本数を選ぶことが大切です。本数が少なすぎると十分なリフトアップ効果が得られず、逆に多すぎるとフェイスラインに不自然な凹凸やひきつれが生じるリスクがあります。

    クリニックでのカウンセリングで個別の骨格と肌状態を正確に診断した上で、適切な本数を設定することが重要です。担当医師と丁寧にすり合わせを行いましょう。

     第3章 糸リフトが引き起こすコラーゲン生成のメカニズム

    スレッドリフトの効果は、コグによる物理的な引き上げだけでなく、コラーゲン生成による長期的な肌質改善にもあります。この章では、体内でどのような反応が起こり、リフトアップ効果がどのように持続するのかを解説します。

     3-1. 異物反応と線維芽細胞の活性化

    糸リフトで挿入される糸は、医療グレードの安全な素材でありながら、体にとっては「異物」として認識されます。体内に異物が入ると、免疫系が反応し、異物を囲む形で線維芽細胞が集積するのです。

    線維芽細胞は、皮膚のコラーゲンとエラスチンを産生する主要な細胞です。線維芽細胞が糸の周囲に集まり活性化されることで、コラーゲンの産生が促進されます。この生体反応は、糸の挿入後から数週間かけて徐々に進み、術後1〜3ヶ月頃に効果として実感されやすくなります。

    重要なのは、この因果関係です。「コグ付きの糸が異物として認識される→免疫反応が起こる→線維芽細胞が集積・活性化される→コラーゲン・エラスチンが産生される→フェイスラインのハリと弾力が改善する」というプロセスが生体内で連続して起こります。

     3-2. 糸が吸収される過程で進む組織のリモデリング

    現在の糸リフトで使用される吸収性の糸は、体内の水分によって「加水分解」という化学反応を経て、最終的に水と二酸化炭素に分解され体外へ排出されます。この分解・吸収の過程で、周囲の組織では持続的なコラーゲン産生が維持されます。

    また、この過程では「タイトニング効果」と呼ばれる皮膚の引き締め作用も起こります。糸の周辺組織が線維化することで、フェイスラインの弾力性が高まり、たるみにくい土台が形成されていくのです。この組織の変化は、糸が完全に吸収された後もリフトアップ効果を一定期間持続させる要因となります。PDOやPLLAなどの素材によって分解速度が異なるため、タイトニング効果が続く期間にも差があります。

     3-3. 糸が溶けた後も効果が残る理由

    「糸が溶けたら効果はすぐになくなるのでは?」という疑問をよく耳にしますが、決してそういうわけではありません。糸が完全に吸収された後も効果が持続する主な理由は、糸の周囲に形成されたコラーゲン繊維の支持組織にあります。

    糸が挿入されていた部位の皮膚内部には、線維芽細胞が産生したコラーゲン繊維が網状に形成されており、これが引き上げた組織の支持構造として機能し続けます。また、組織のリモデリングによって生じたコラーゲンは、糸が吸収された後もそのまま肌内に残ります。

    臨床の経過観察において、術後1〜3ヶ月を経過した患者様から「肌のハリが戻った気がする」「毛穴が目立たなくなった」「化粧のノリが良くなった」といった声をよくいただきます。これはコラーゲン増生効果が実感として現れている典型的な経過です。

     第4章 糸リフトに使われる素材と形状の種類を徹底比較

    糸の素材と形状は、効果の持続期間やコラーゲン生成の強さに影響します。自分に合った施術を選ぶためにも、各素材の特徴を知っておきましょう。

     4-1. PDO(ポリジオキサノン):最も広く普及する吸収性素材

    PDO(ポリジオキサノン)は、糸リフトで最もよく使用される素材です。心臓外科や消化器外科の手術での縫合糸としても長年の使用実績がある素材で、安全性が高いことが特徴です。

    体内での吸収期間は、素材の太さや形状にもよりますが、おおむね6ヶ月〜1年程度とされています。吸収期間中にコラーゲン生成が促進されるため、糸が消失した後も肌質改善効果が一定期間継続する傾向があります。初めてスレッドリフトを受ける方や、定期的なメンテナンスとしてリフトアップを取り入れたい方に適した素材です。多くのクリニックで取り扱いがあり、PDOを用いたスレッドリフトの症例数が豊富な医師も多い点も安心です。

     4-2. PLLA(ポリ-L-乳酸):コラーゲン増生に強みを持つ素材

    PLLA(ポリ-L-乳酸)は、乳酸を原料とする生分解性ポリマーです。体内での分解・吸収には約1〜2年かかるとされており、PDOよりも持続期間が長い点が特徴です。

    PLLAの最大の魅力は、分解過程で強力なコラーゲン増生作用を発揮することです。素材が分解される際の刺激が皮膚内の線維芽細胞をより強く活性化するため、たるみの改善効果が高くなる傾向があります。長期的なエイジングケアを重視する方に向いている素材です。

     4-3. PCL(ポリカプロラクトン):長期持続が特徴の素材

    PCL(ポリカプロラクトン)は、3つの素材の中で最も吸収期間が長く、約2〜3年かけて体内で分解されます。分解速度が緩やかなため、長期にわたって組織への刺激が持続し、コラーゲン産生が促進される点が特徴です。

    一度の施術で長期的なリフトアップ効果を求める方に向いており、繰り返しクリニックに通う回数を抑えたい方にも適しています。ただし、素材ごとの適応は顔の状態や年齢によって異なるため、どの素材が最も効果的かは医師との詳細なカウンセリングで判断することが重要です。

    臨床現場では、PDOで初回のスレッドリフトを行い、効果や経過を確認した上で、次回以降にPLLAやPCLへステップアップするケースも見られます。患者様の肌質やたるみの進行度合いに応じて素材を変えていくことで、より最適なリフトアップ効果を目指せます。

     4-4. 糸の形状による仕組みの違い:コグ付き・スクリュー・スムース

    糸リフトで使用される糸の形状は、目的によって使い分けられます。

    形状特徴主な適応部位
    コグ付き(バーブ)トゲ(返し)が組織に引っかかり、物理的に引き上げる力が最も強い。頬・フェイスライン・首
    スクリュー(ツイスト)らせん状の構造。皮下組織を広く刺激し、コラーゲン生成促進に優れる。こめかみ・目元・口元
    スムース(モノ)トゲのない細くシンプルな糸。引き上げより肌質の改善(ハリ)が主目的。肌全体の質感改善

    引き上げ効果を重視する場合はコグ付き糸、肌質改善を目的とする場合はスクリューやスムース糸を組み合わせるケースが多く見られます。

     第5章 糸リフトの施術の流れ:カウンセリングから挿入完了まで

    糸リフトの仕組みを理解する上で、実際にクリニックでどのような手順で施術が進むかを知ることも重要です。流れを把握しておくと、当日の緊張感が和らぎ、ダウンタイムの経過にも自信を持って向き合えます。

     5-1. 仕上がりの方向性はカウンセリングとデザインで決まる

    糸リフトの仕上がりは、施術前のカウンセリングとデザインの段階でほぼ方向性が決まります。担当医師が顔の骨格・脂肪の分布・たるみの程度を診察した上で、挿入位置・本数・使用する糸の素材と形状をプランニングします。

    この段階では、患者様が希望する仕上がりイメージを医師とすり合わせることが大切です。「自然なリフトアップ」を望むのか、「はっきりとした輪郭の変化」を求めるのかによって、デザインは大きく異なります。

    また、将来的に追加施術を行う可能性も踏まえた長期的な視点でのプランニングが、満足度の高いリフトアップにつながります。カウンセリングで骨格や肌状態を細かく確認し、コグ付き糸の素材や本数を丁寧に提案してもらえるかどうかも、クリニックを選ぶ際の重要な判断基準です。

     5-2. 麻酔から糸の挿入・調整までの実際の手順

    施術はおおむね以下のステップで進みます。

    1. 洗顔・消毒: メイクを落とし、施術部位を清潔にします。

    2. マーキング: 顔の引き上げラインと糸の挿入ルートをデザインします。

    3. 局所麻酔: 挿入部位と糸の通過するルートに麻酔を注入します。

    4. 糸の挿入: 細い針またはカニューレを使用して、皮下に糸を通します。

    5. 調整: 引き上がりのバランスを確認しながら糸の位置を微調整します。

    6. 固定・切断: 適切な位置で糸を固定し、余分な糸を切断します。

    施術時間は挿入する本数や挿入部位によって異なりますが、おおむね30〜60分程度が目安です。施術中の痛みは局所麻酔によってほぼ抑えられますが、麻酔注入時にチクッとした痛みを感じる場合があります。

     5-3. 施術後に起こる変化とダウンタイムの目安

    施術直後は、麻酔が効いている間は顔のつっぱり感や重さを感じることがあります。挿入直後から引き上がりの効果を実感できる点が、糸リフトの大きな特徴の一つです。

    ダウンタイムとしては、以下のような症状が出ることがあります。

    – 腫れ・むくみ: 術後1〜3日でピークを迎え、1〜2週間で落ち着くことが多いです

    – 内出血: 挿入部位周辺に現れることがあり、数日〜2週間程度で改善します

    – つっぱり感・ひきつれ感: 術後1ヶ月程度で自然に緩和される経過が一般的です

    施術直後の肌は非常にデリケートな状態のため、ダウンタイム中の過ごし方がリフトアップの仕上がりにも影響します。帰宅時はスキンケアや日焼け止めは塗らず、できるだけすっぴんの状態で帰宅するのが安全です。

    熱感や腫れが気になる場合は、保冷剤を清潔なガーゼやハンドタオルで包んだものを優しく患部に当てる方法を推奨します。ダウンタイムの過ごし方に不安がある場合は、施術を受けたクリニックに遠慮なく相談しましょう。

    第6章 糸リフトの仕組みから見えるメリットと注意すべきポイント

    糸リフトのメカニズムを理解することで、メリットと注意点が見えてきます。この章では、糸リフトの仕組みに裏付けられた正しい知識をまとめます。

     6-1. 仕組みを理解すると分かる糸リフトの3つのメリット

    ① 即効性と持続性の二段階で効果が現れる

    コグによる物理的なリフトアップで施術直後からフェイスラインの変化を実感でき、さらにコラーゲン生成によって術後1〜3ヶ月かけて徐々に肌質が改善します。二段階の効果があることを知っておくと、ダウンタイム中の経過を前向きに見守ることができます。

    ② メスを使わないため身体への負担が少ない

    切開リフトと比較してダウンタイムが短く、針穴からコグ付きの糸を挿入するだけなので傷跡が目立ちにくいことも大きなメリットです。仕事や日常生活への影響を最小限に抑えながらリフトアップを目指せます。

    ③ 繰り返しの施術が容易で長期的なエイジングケアに適する

    溶ける糸を使用するため、効果が薄れてきたタイミングで追加施術が行いやすいのも特徴です。加齢に伴う皮膚のたるみの変化に合わせて定期的にメンテナンスを続けることで、継続的なエイジングケアが可能になります。

     6-2. 仕組みを理解すると分かる糸リフトの3つの注意点

    ① 重度のたるみには効果の限界がある

    スレッドリフトは皮下組織をコグで引っかけてリフトアップする仕組みのため、重力に対する抵抗力に限界があります。中等度以上の強いたるみや、皮膚が大きく余っている場合には、切開リフトの方が適していることがあります。

    ② 効果の持続期間は永久ではない

    使用する糸の素材によって吸収期間は異なりますが、スレッドリフトのリフトアップ効果は永続的ではありません。PDOなら1〜2年、PLLAやPCLなら2〜3年程度を目安に効果の減退が見られることが一般的です。長期間のリフトアップ効果を維持するためには、定期的な追加施術を計画に組み込んでおくことが大切です。

    ③ 医師の技術力が仕上がりに直結する

    挿入する層・角度・本数のバランスは、担当医師の経験と技術によって大きく左右されます。特に、骨格や脂肪の分布に応じたカスタマイズが必要なため、糸リフトの施術実績が豊富な医師のもとで施術を受けることが望ましいです。カウンセリングで骨格や肌状態を詳しく診た上でプランを立ててくれるかどうかも、クリニック選びの重要な判断基準となります。

     6-3. 糸リフトの効果を最大限に引き出すためのポイント

    糸リフトの効果を最大化するためには、「自分のたるみのタイプを正しく診断してもらうこと」が大切です。たるみの原因が皮膚そのもののゆるみなのか、脂肪の重力移動によるたるみなのか、筋膜のゆるみなのかによって、最適なアプローチは異なります。

    また、HIFU(ハイフ)やボトックスといった他の施術と組み合わせることで、糸リフト単体よりも効果が相乗的に高まるケースもあります。特に、筋肉の動きによってたるみが助長されている場合には、ボトックスで筋肉の引っ張りを緩めた上で糸リフトを行うと、コグへの負担が軽減されて持続性が改善する傾向があります。まずはカウンセリングで、自分のたるみの原因と種類を正しく診断してもらうことから始めましょう。

     第7章 糸リフトの仕組みに関する疑問を専門医が解消

     7-1. Q. 糸が溶けたら顔は元の状態に戻ってしまいますか?

    A. コグ付きの糸が完全に吸収された後も、ある程度のリフトアップ効果は継続します。糸の挿入によって生成されたコラーゲン繊維は、糸が消失した後も支持組織として残り続けます。また、組織のリモデリングによって改善されたフェイスラインの弾力性も、ある程度は維持されます。

    ただし、時間の経過とともに加齢によるたるみは進行するため、元の状態よりも良い状態が維持されつつも、たるみが再び進んでいくことは避けられません。長期的なリフトアップ効果を維持するためには、PDOなどの素材の吸収タイミングに合わせた追加施術を検討しましょう。

     7-2. Q. 糸リフトを繰り返し行っても問題はありませんか?

    A. 溶ける糸(吸収性糸)を使用した糸リフトは、繰り返し施術を行っても基本的に問題ありません。糸は体内で完全に分解・吸収されるため、何年も異物が蓄積し続けることはありません。

    むしろ、定期的に施術を繰り返すことで、コラーゲン生成が継続的に促進され、加齢によるたるみの進行を穏やかに抑えられるという観点からも、計画的なメンテナンスは意義があるとされています。ただし、追加施術のタイミングは担当医師と相談しながら計画を立てることをお勧めします。

     7-3. Q. 糸リフトとHIFU(ハイフ)の仕組みはどう違いますか?

    A. 糸リフトとHIFUは、ともにたるみ改善に用いられる施術ですが、仕組みはまったく異なります。糸リフトは「コグ付き糸を物理的に挿入して組織を引き上げる」施術であり、施術直後からリフトアップ効果が現れます。

    一方、HIFUは高密度焦点式超音波を皮下の特定の層に照射し、熱エネルギーによって組織の収縮とコラーゲン生成を促す施術です。HIFUは糸の挿入を行わないため、体内への異物挿入がない点が魅力ですが、リフトアップの即効性という点では糸リフトの方が高い傾向があります。両施術を組み合わせることで相互の弱点を補い合えるため、担当医師と相談の上で最適なプランを検討することをお勧めします。

     7-4. Q. 糸リフトは何本入れるのが適切ですか?

    A. 適切な本数は、顔の骨格・脂肪の量・たるみの程度・希望する仕上がりによって個人差があります。一般的な目安として、片側あたり数本程度が用いられることが多いですが、これはあくまでも目安であり、個別の診察なしに本数を決定することはできません。

    大切なのは、「何本入れるか」よりも「どこに・どの角度で・どのコグ付き糸を使うか」というデザインの精度です。本数だけを重視するのではなく、担当医師が骨格やフェイスラインの状態を診た上で最適なプランを提案できるかどうかを、クリニック選びの基準にしてください。

     糸リフトの仕組みを知ることが、後悔しない施術選びへの第一歩

    コグによる物理的な引き上げと、コラーゲン生成による肌質改善という二つのメカニズムが組み合わさることで、糸リフトは即時的かつ持続的なリフトアップ効果を発揮します。

    また、使用する糸の素材(PDO・PLLA・PCL)や形状によって、効果の持続期間やコラーゲン増生の強さが異なります。挿入する層やデザイン、本数の最適化は医師の技術と経験に依存するため、クリニック選びが施術の満足度を大きく左右します。

    糸リフト(スレッドリフト)の仕組みを正しく理解することで、ダウンタイムへの不安が軽減され、自分に合った施術かどうかを冷静に判断できるようになります。たるみの種類・程度・希望する仕上がりをクリニックのカウンセリングで詳しく伝え、医師との対話を通じて最適なプランを作り上げることが、理想のフェイスラインへの確実な近道です。