Home コラム 糸リフトで糸が見えるのは失敗?8つの原因と対処法、失敗しないための全知識まとめ!

糸リフトで糸が見えるのは失敗?8つの原因と対処法、失敗しないための全知識まとめ!

糸リフト後に糸が見える?8つの原因と対処法、失敗しないための全知識

    糸リフト後に糸が見える?8つの原因と対処法、失敗しないための全知識

    糸リフトの施術を受けた後、ふと鏡を見ると「あれ?なんだか糸のラインが見える…」「触ると糸があるのがわかる」と不安に感じていませんか?

    手軽にリフトアップ効果が期待できると人気の糸リフトですが、こうした「糸が見える」トラブルは、残念ながら一定数発生しています。

    それがダウンタイム中の一時的な症状であれば良いのですが、中には医師の技術不足や明らかな失敗が原因であるケースも隠れています。

    この記事では、美容医療のプロフェッショナルとして、糸リフト後に糸が見える場合に考えられる8つの原因、万が一そうなってしまった場合の正しい対処法、そして同じ後悔をしないための失敗事例とクリニック選びの全知識を徹底的に解説します。

    不安を抱えている方も、これから施術を検討している方も、ぜひ最後までお読みいただき、冷静な判断材料としてください。

    第1章 糸リフト後に糸が見える?考えられる8つの原因

    第1章 糸リフト後に糸が見える?考えられる8つの原因

    糸リフトの施術後に糸が見える、または触れるとわかる状態には、一時的なものから、すぐに対処が必要なものまで、様々な原因が考えられます。医師の技術、使用する糸、ご自身の体質、そして施術後の過ごし方。まずは、考えられる8つの原因を網羅的に解説します。ご自身の状況がどれに当てはまるか、判断の材料にしてみてください。

    1-1. 原因①:医師の技術不足(挿入層が浅い)

    最も多く、そして最も深刻な原因が、施術を担当した医師の技術的な問題です。糸リフトは、糸を挿入する皮膚の層(深さ)が重要です。

    私たちの皮膚は表面から表皮、真皮、皮下脂肪層、そしてその下にSMAS(スマス)筋膜という表情筋の膜があります。糸リフトは、このSMAS筋膜の近くや皮下脂肪層といった「適切な層」に挿入し、組織を引っかけることでリフトアップ効果を発揮します。

    しかし、医師の経験が浅かったり、解剖学的な知識が不足していたりすると、この挿入層が浅すぎて、皮膚のすぐ下(真皮層の浅い部分など)に糸が存在することになります。その結果、皮膚の表面から糸のラインが透けて見えたり、光の加減で浮き出たり、ぼこっとしたラインとして見えてしまうのです。

    ある美容外科の経験豊富な院長は、「顔の皮膚の厚みは、頬やフェイスライン、こめかみなど、部位によって1mm以上も変わります。このミリ単位で適切な層を見極め、均一な深さで糸を挿入するには、解剖学の深い知識と数多くの執刀経験が不可欠です」と語ります。糸リフトは医師の技術力が直結する施術だと言えます

    1-2. 原因②:糸の種類・太さの選択ミス

    医師の技術は確かでも、そもそも「使用する糸の選択」が間違っているケースもあります。糸リフトの「糸」には、素材(溶ける糸・溶けない糸)、形状(コグと呼ばれるトゲの付き方)、太さ、硬さなど、非常に多くの種類があります。

    例えば、皮膚が薄い方に対して、リフトアップ力が強いからといって、太すぎる糸や、コグ(トゲ)が大きくて硬い素材の糸を選んでしまうとどうなるでしょうか。糸が皮膚の薄さに馴染まず、異物として浮き出て見えやすくなってしまいます。

    たるみの状態が強いから太い糸が必要、という単純な話ではありません。患者様一人ひとりの皮膚の薄さ、脂肪のつき方、たるみの原因をカウンセリングで正しく診断し、最適な糸の種類と本数を提案する能力が医師には求められます。

    1-3. 原因③:皮膚が薄い・脂肪が少ない

    これは失敗ではなく、患者様ご自身の「体質的なリスク」とも言える原因です。もともと皮膚が非常に薄い方や、加齢やダイエットで顔の脂肪が少ない痩せ型の方は、糸リフトのリスクが高まる傾向にあります。

    このようなタイプの方が施術を受けると、たとえ医師が解剖学的に正しい層(かなり深い層)に糸を挿入したとしても、皮膚と糸の距離が物理的に近いため、どうしても透けて見えやすくなります。

    筆者の知人にも、「痩せ型で皮膚が薄いと自覚していたので、カウンセリングでその点を強く伝え、通常よりかなり細い糸での施術を提案してもらいました」という方がいます。ご自身の肌質を理解し、それを医師にしっかり伝えることで、リスクを最小限に抑える工夫も必要です。

    1-4. 原因④:ダウンタイム中の正常な腫れ・むくみのケース

    もし糸が見える症状が「施術直後から1〜2週間以内」に起きている場合、それはダウンタイム中の正常な回復過程である可能性が高いです。

    糸リフトは、針やカニューレ(鈍針)を使って糸を皮下に挿入する施術です。そのため、組織は目に見えないダメージを受け、麻酔の影響や施術の刺激によって、必ず「腫れ」や「むくみ」が発生します。

    組織が内側から膨張することで、一時的に皮膚が押し上げられ、普段は見えないはずの糸のラインが浮き出て見えることがあるのです。これは失敗ではなく、時間経過とともに腫れが引くことで、糸も組織に馴染み、自然に解消されるケースがほとんどです。まずは焦らず、1〜2週間は様子を見ましょう。

    1-5. 原因⑤:施術後の間違った過ごし方

    糸リフトの施術後、糸が皮下組織にしっかりと定着し、コグが周囲の組織と癒着するまでには、約1ヶ月程度の時間が必要とされています。この最も大切な「定着期間」に、顔に強い刺激を与えてしまうと、糸がズレる原因になります。

    例えば、大きな口を開けて笑ったり、歌ったりすること。硬いものを食べる行為。顔を強くこするようなマッサージや洗顔。うつ伏せ寝。そして、口を大きく開け続ける「歯科治療」も、糸が移動する大きなリスクとなります。

    これらの行動によって、せっかく適切な位置に挿入された糸が皮膚の浅い層に移動してしまい、結果としてラインが見えるようになってしまうのです。クリニックから受けた注意事項は、必ず守るようにしましょう。

    1-6. 原因⑥:糸の固定が不十分で移動してしまった

    原因⑤の「過ごし方」と似ていますが、こちらは医師側の問題です。糸を挿入した後、こめかみの奥などで糸を固定する処理が甘かったり、糸の引き上げ方のバランスが悪かったりすると、糸が定着する前にズレてしまうことがあります。

    特に表情筋は私たちが思う以上に複雑で強い動きをします。日々の会話や食事、笑顔といった自然な動きの中で、固定が不十分な糸は徐々に本来の位置からズレていき、皮膚の浅い層に移動して見えるようになってしまうのです。これも医師の挿入技術と、最後の仕上げの丁寧さに関わる問題です。

    1-7. 原因⑦:感染やアレルギー反応による炎症

    非常に稀なケースですが、衛生管理が不十分なクリニックでの施術や、術後のケアが不適切だった場合、糸の挿入部から細菌が入り「感染」を起こすことがあります。

    感染すると、その部位が赤く腫れあがり、熱感を持ち、強い痛みを伴います。この炎症による腫れによって、糸が目立ったり、最悪の場合、体が異物を排出しようとして皮膚を突き破って糸が出てくることもあります。

    また、さらに稀ですが、糸の素材(PDO、PCL、PLLAなど)そのものに対する「アレルギー反応」が起きる可能性もゼロではありません。この場合も、持続的な炎症や腫れが起こり、糸のラインが浮き出る症状につながることがあります。

    1-8. 原因⑧:カウンセリング不足による認識違い

    最後は、技術的な失敗というよりも、「コミュニケーションの失敗」です。 原因③で述べたように、皮膚が薄い方や痩せ型の方は、もともと糸が見えやすい体質的リスクがあります。

    腕の良い医師であれば、カウンセリングの段階でそのリスクを患者様にしっかりと説明し、「あなたは皮膚が薄いので、細い糸を使いますが、それでも笑った時などに少しラインが浮き出る可能性がゼロではありません」といった事前説明を行います。

    しかし、この重要なリスク説明が不十分なまま施術を行うとどうなるでしょうか。患者様は「こんなはずじゃなかった」「糸が見えるなんて失敗だ」と強い不満を感じます。一方でクリニック側は「体質的に想定の範囲内である」と捉えており、この認識のズレが大きなトラブルの原因となります。

    第2章 糸が見える・出てきた場合の正しい対処法

    実際に施術後、糸が透けて見えたり、ラインが浮き出てきたり、あるいは皮膚から飛び出してきたりした場合、パニックになってしまう気持ちはよくわかります。しかし、ここで冷静な対応ができるかどうかが、その後の回復を大きく左右します。自己判断で触ることは絶対に避けてください。本章では、症状の緊急度に応じて、ご自身でできることと、すぐにクリニックで行うべき対処法を解説します。

    2-1. まずはセルフチェックと写真撮影

    2-1. まずはセルフチェックと写真撮影

    不安な気持ちを一旦抑えて、まずはご自身の現状を客観的に把握し、「記録」することが重要です。この記録が、後に医師へ正確な情報を伝えるための最も重要な資料となります。

    チェックすべき項目は、「いつから(施術後何日目か)」「どの部位が(右の頬、左の口横など)」「どのように見えるのか(線状に透ける、ぼこっと浮き出ている、皮膚から飛び出している)」「他の症状はあるか(痛み、腫れ、赤み、熱感、ひきつれ感)」です。

    これらを確認したら、すぐにスマートフォンのカメラで患部の写真を撮影しましょう。その際、真顔の状態だけでなく、軽く笑った状態、口を動かした状態など、いくつかの表情で撮影すると、症状がより明確にわかります。また、正面からだけでなく、左右の斜め、横顔など、様々な角度から撮影しておくことも大切です。

    2-2. 施術を受けたクリニックへ即時連絡

    セルフチェックと写真撮影が終わったら、様子見をしたり、他のクリニックを探したりする前に、まずは「施術を受けたクリニック」へ即時に連絡を取りましょう。あなたの施術内容や使用した糸の種類、挿入した位置を正確に把握しているのは、担当した医師だけです。

    電話をかける際は、先ほどチェックした内容を整理して伝えるとスムーズです。クリニックの受付スタッフによると、「お電話で“〇月〇日に糸リフトの施術を受けた〇〇です。現在、右の口横の糸が透けて見えるようです。痛みはありませんが、写真を送ることは可能ですか?”のように、施術日、お名前、具体的な症状を具体的にお伝えいただくと、カルテの確認が非常にスムーズです」とのことです。

    不安だからと感情的になるのではなく、客観的な事実を冷静に伝えることが、迅速な対応に繋がります。

    2-3. クリニックでの診察と処置(抜糸・再挿入など)

    クリニックに連絡した後、医師の指示に従い、早めに診察を受けましょう。クリニックでは、医師が患部の状態を視診や触診で確認し、原因を診断します。

    原因がダウンタイム中の「腫れ」であれば、冷却や圧迫、あるいは時間経過での回復を待つ、といった指示になります。

    もし原因が医師の技術不足(層が浅い)や糸の移動であると判断された場合、問題となっている糸を「抜去(抜糸)」する処置が行われることが一般的です。局所麻酔を使用するため、処置中の痛みはほとんどありません。

    感染が疑われる場合は、抗生剤の処方や点滴が行われます。糸が皮膚から飛び出している場合は、その部分をカットしたり、抜去したりします。

    気になる費用負担ですが、施術後の保証期間内であったり、明らかに医師の技術的な問題(失敗)と認められたりした場合は、診察や抜去費用は無料となるケースが多いです。ただし、この保証内容はクリニックによって異なるため、第4章で解説する「事前のクリニック選び」が重要になります。

    2-4. 絶対にやってはいけないNG行動

    2-4. 絶対にやってはいけないNG行動

    不安や焦りから、絶対にやってはいけない行動があります。それは、「自分で触る・押し込む・抜こうとする」ことです。

    糸が透けて見えるからと、皮膚の上から強くマッサージして馴染ませようとしたり、ぼこつきを押し込もうとしたりする行為は、かえって糸を意図しない方向に移動させ、症状を悪化させる可能性があります。

    ましてや、糸が皮膚から少し飛び出してきた際に、それを自分で引っ張って抜こうとしたり、ハサミで切ろうとしたりするのは非常に危険です。不衛生な手や器具で触れると、そこから細菌が入って「感染」を引き起こし、より深刻な事態(強い腫れや痛み、傷跡が残る)を招きます。必ず、施術を受けたクリニックの医師に処置を任せてください。

    第3章 糸が見えるだけじゃない!糸リフトで後悔しないための失敗事例

    糸リフトのリスクは、「糸が見える」ことだけではありません。ブログやSNSで「糸リフト やらなきゃよかった」という声が上がる背景には、他にも様々な失敗事例が存在します。これらのリスクを網羅的に知ることで、より多角的に施術を理解し、ご自身が後悔のない選択をするための判断材料としましょう。

    3-1. 事例①:顔が凸凹になる・ひきつれる

    「糸が見える」状態と近いですが、こちらは糸そのものではなく、糸によって引き上げられた皮膚の表面が凸凹になったり、表情を作った際に不自然な「ひきつれ」が起きたりする事例です。

    これは、糸を挿入する層が均一でなかったり、部分的に引き上げる力が強すぎたりするために起こります。特に頬や口元など、表情筋がよく動く部分で目立ちやすい失敗です。SNSの口コミでは「笑うと頬にだけ変な線(えくぼのような凹み)が入るようになり、不安でクリニックに相談したら修正してもらいました」といったリアルな声も見られます。

    多くの場合、ダウンタイムの経過とともに組織が馴染み、数週間から数ヶ月で改善しますが、明らかに挿入ミスである場合は、抜糸や再挿入といった修正が必要になります。

    3-2. 事例②:頬がこける・やつれて見える

    3-2. 事例②:頬がこける・やつれて見える

    糸リフトは「たるみを引き上げる」施術ですが、そのデザインや方向性を誤ると、かえって老けた印象になってしまう失敗があります。それが「頬のこけ」です。

    たるみを解消したい一心で、医師がリフトアップの力加減や方向を間違え、必要以上に頬を持ち上げてしまうと、ふっくらしているべき頬中央部のボリュームが側頭部や耳の前に移動してしまいます。その結果、頬がこけて影ができ、やつれて疲れたような印象を与えてしまうのです。

    この失敗は、もともと顔の脂肪が少ない痩せ型の方が陥りやすいリスクです。単に引き上げるだけでなく、患者様の骨格や脂肪のつき方を見極め、若々しい印象になるよう立体的にデザインする医師の美的センスと技術が、仕上がりを大きく左右します。

    3-3. 事例③:期待したリフトアップ効果がない

    これは明確な「失敗」とは異なるかもしれませんが、患者様にとっては「後悔」に繋がる大きな問題です。高額な費用を払ったにもかかわらず、期待していたリフトアップ効果がほとんど感じられない、あるいは数ヶ月で元に戻ってしまった、というケースです。

    原因としては、たるみの程度に対して挿入する糸の本数が少なすぎた、あるいは、そもそもその方のたるみの種類(皮膚の余りが非常に多いなど)が糸リフトでは対応しきれない「適応外」だった可能性が考えられます。

    糸リフトは万能な施術ではありません。たるみが強すぎる場合は切開リフトが、皮膚のゆるみが原因の場合はハイフ(HIFU)など他の施術が適している場合もあります。カウンセリングで医師が適応を正しく見極められなかった結果と言えるでしょう。

    3-4. 事例④:痛みが長引く・挿入部がハゲる

    通常、糸リフトの痛みはダウンタイム中(数日〜長くても数週間)に落ち着きます。しかし、施術から数ヶ月経っても特定の場所がズキズキ痛む、あるいは口を開けると強い痛みが走る、といった症状が続く場合があります。

    これは、糸が神経に触れていたり、挿入層が深すぎて筋膜を強く刺激していたりする可能性があります。あまりに痛みが長引く場合は、神経損傷のリスクも考えられるため、すぐに医師の診察が必要です。

    また、こめかみや頭髪内から糸を挿入する際、医師が誤って毛根(毛包)を傷つけてしまうと、その部分の毛が生えてこなくなる「脱毛(ハゲ)」のリスクもあります。これも、解剖を熟知した医師が、毛根を避けて丁寧に挿入する技術があれば防ぐことができます。

    第4章 失敗リスクを9割減らす!信頼できるクリニック・医師選び

    第1章から第3章までで解説してきたように、糸リフトの「糸が見える」という失敗や、その他の後悔に繋がる事例の多くは、医師の技術不足や診断ミスに起因しています。

    つまり、糸リフトの成否は、施術を受ける前の「クリニック・医師選び」が非常に重要であるということです。価格や知名度だけで安易に選ぶのではなく、本質的に信頼できる医療機関を見極めるための5つの具体的なチェックポイントを紹介します。

    4-1. 糸リフトの症例数が豊富で、症例写真を公開している

    まず確認すべきは、糸リフトの「症例数」です。ただし、クリニック全体の症例数だけでなく、実際にカウンセリングや施術を担当する「医師個人の症例数」が重要です。経験豊富な医師は、それだけ多くの皮膚タイプやたるみのパターンに対応してきた証拠であり、様々なケースを経験することで技術を磨いています。

    多くのクリニックは、HPやInstagramなどの公式SNSで症例写真を公開しています。ここで見るべきポイントは、単に「リフトアップしたか」だけでなく、ご自身の年齢、肌質、輪郭に近い人の仕上がりがどうなっているか、です。特に、笑顔や横顔など、様々な角度からの写真があり、施術直後だけでなく1ヶ月後などダウンタイムが落ち着いた後の写真も公開しているクリニックは、仕上がりに自信があり、信頼できます。

    4-2. 医師自ら時間をかけ、リスク説明を含むカウンセリングを行う

    4-2. 医師自ら時間をかけ、リスク説明を含むカウンセリングを行う

    カウンセリングの質は、クリニックの質そのものです。残念ながら、一部のクリニックでは、医師との対話は流れ作業の数分のみで、ほとんどの時間をカウンセラーやスタッフとの契約話で占められることがあります。

    信頼できるクリニックでは、必ず医師自らが十分な時間を確保し、患者様の肌質や骨格を「触診」した上で、施術のシミュレーションを行います。そして、リフトアップ効果といったメリットだけでなく、第1章で解説した「糸が見えるリスク」や、腫れ、痛みなどのダウンタイム、ひきつれの可能性といった「リスク」についても、隠さず丁寧に説明してくれます。ここで確認すべき質問リストの例を以下に示します。

    • 私の肌質やたるみの場合、糸が見えるリスクはどの程度ありますか?
    • 使用する糸の種類、それぞれの特徴、なぜその糸を私に推奨するのですか?
    • 挿入する本数とその根拠を教えてください。
    • 具体的なダウンタイム(腫れや痛みのピークと回復期間)の目安は何週間ですか?
    • 万が一、糸が見えたり感染したりした場合の保証内容を教えてください。

    こうした質問に曖昧に答えず、誠実に対応してくれる医師を選びましょう。

    4-3. 複数の糸の種類を扱い、最適な提案をしてくれる

    糸リフトに使用される糸には、第1章でも触れたように無数の種類があります。素材(PDO, PCL, PLLAなど)、形状(コグの有無や形状)、太さ、持続時間も様々です。

    もし、そのクリニックが1種類(あるいはごく少数)の糸しか扱っていない場合、どんな肌質やたるみの悩みに対しても、その糸を使った施術しか提案できません。これは、患者様に最適な施術を提供しているとは言えません。

    対照的に、複数のメーカーの糸を幅広く扱っているクリニックは、あなたの皮膚の薄さ、脂肪の量、たるみの原因(皮膚のたるみか、SMAS筋膜のゆるみか)を正しく診断し、豊富な選択肢の中から「あなたに最適な糸の種類と本数」をオーダーメイドで提案してくれるでしょう。

    4-4. アフターフォローや保証制度が明確である

    4-4. アフターフォローや保証制度が明確である

    どれだけ腕の良い医師が施術しても、医療行為である以上、リスクはゼロではありません。重要なのは、万が一「糸が見える」「感染した」といったトラブルが起きた際に、クリニックがどのような対応をしてくれるかです。

    施術前に、アフターフォローや保証制度の内容を書面などで明確に確認しておくことが絶対に必要です。例えば、トラブル時の診察料、問題となった糸の抜去費用、必要な場合の再施術費用などが、どのような条件で(いつまで、何回まで)無料または有料になるのか、具体的に確認しましょう。

    【保証内容の比較例】

    • Aクリニックの保証: 施術後1年以内は、医師が必要と認めた場合の抜去・修正処置は無料。
    • Bクリニックの保証: 保証制度は特になし。術後のトラブル対応や修正は、すべて別途費用が発生。

    Bクリニックのような対応では、万が一の際に高額な追加費用が必要となり、後悔に繋がります。

    4-5. 極端に安い価格設定で客引きをしていない

    美容医療において、安さには必ず理由があります。糸リフトの費用は、使用する糸の原価、医師や看護師の人件費、そして技術料で構成されています。「糸1本〇〇円」といった極端に安い価格設定で客引きをしている場合、注意が必要です。

    その安さの裏には、質の低い(原価の安い)糸を使用している、経験の浅い医師が執刀を担当する(技術料が安い)、あるいは、カウンセリングで高額なオプションや大量の本数を追加する前提の「おとり価格」である可能性が潜んでいます。適正な価格帯の中で、なぜその費用が必要なのかを丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。

    第5章 まとめ:糸リフトの不安を解消し理想の仕上がりを手に入れるために

    糸リフト後に糸が見えるという問題は、施術直後の正常な腫れ(ダウンタイム)から、医師の技術不足や体質的なリスクまで、様々な原因が考えられます。もし異常を感じたら、第2章で解説した通り、自己判断で触らず、まずは施術を受けたクリニックに速やかに相談することが必要不可欠です。

    しかし、最も重要なのは、こうした失敗や後悔を「未然に防ぐ」ことです。糸リフトは、手軽に見えて非常に高度な技術と解剖学の知識を要する医療施術です。その仕上がりの9割は、施術を受ける前のクリニック・医師選びにかかっています。

    本記事で解説した「信頼できるクリニック・医師選びの5つのチェックポイント」を参考に、価格や広告だけでなく、医師の技術力、カウンセリングの質、リスク説明の誠実さ、そして万が一のアフターフォロー体制を見極めてください。複数のクリニックでカウンセリングを受け、ご自身が心から信頼できる医師を見つけることが、後悔のない理想の仕上がりへの一番の近道です。

    監修

    クリニック院長

    清水 優人

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